馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

墓場から揺りかごへ

http://futeki.moe-nifty.com/blog/2008/05/post_fe41.html
▼日本産馬のディヴァインライトが、トルコの地で種牡馬としてVictory GallopやらStrike the Goldやらといった面子とタメを張る扱いを受けている、というお話。JBBAのサラブレッド輸入頭数統計種牡馬の欄を見てみると、

輸入年度/輸入頭数
1983 17 1988 29 1993 12 1998 6 2003 9
1984 20 1989 27 1994 17 1999 9 2004 3
1985 16 1990 24 1995 17 2000 14 2005 3
1986 21 1991 22 1996 14 2001 9 2006 4
1987 28 1992 20 1997 8 2002 12 2007 7
5年計 102 5年計 122 5年計 68 5年計 50 5年計 26
みたいなデータがあって、これと比較するに、以前の「種牡馬の墓場」という状況からは隔日の感があるなぁと。まぁどれだけの輸出種牡馬がいてどの程度の成績を上げているか、という定量的なデータがないので片手落ちの印象論ではあるんですが・・・・・・(シャトル種牡馬一覧は種牡馬 - Wikipediaにありましたけど)。
 しかし、こうした状況の変化は、外部的(経済とか)要因を除けばほぼサンデーサイレンスという馬1頭のために起きたと言っても過言ではないわけで、改めてあの馬の偉大さを感じます。その好敵手だった2頭、ブライアンズタイムトニービンにも、血脈の世界的拡散のチャンスがもっとあるといいんですけどね。今年のオークス馬を出したジャングルポケットは、ずっと南半球へのシャトルが続いてるので、去年のダービー馬そして今年のダービー2着馬を出したタニノギムレットあたりにもなんとか、みたいな。馬インフル問題はネックですが・・・・・・。


<追記>
2つの勝利が露呈したもの - サラブnet
▼書いた後で気づいたんですが、ノモケンが先日こういうネタを書いてました。「ディープを売ってグランドディールを」というのは極論すぎるかと思いますが、抱え込みすぎで、輸入超過から一転今度は出し渋りという印象は確かに。社台グループの産駒連名簿が今手元にない(見つからない・・・・・・)のでアレですが、クラブに出してきてる幼駒のサンデー系の割合は、ざっと見た感じ5割前後にまで上がってきてますし。
 ただ、経済原則というか、海外に売るより日本で供用するほうが明らかに儲かるなら、実際に飽和の弊害が出てくるまでは国内供用(&シャトル)で稼ぐほうを選ぶだろうな、というのも道理としては理解できる話で。それに、アグネスデジタルロージズインメイイーグルカフェ(!)といった種牡馬を擁して逆張りしてくる岡田総帥みたいな人がいるわけですし。
 あと、豪新の種牡馬成績をStallions - Australia's leading online stallion directory. Leading sire list, stakes resultsあたりで数字を確認する限り、シャトルで行ってるサンデー系種牡馬(ノモケンが例に挙げてるフジキセキはじめ、タヤスツヨシとかジェニュインとかも)って、かなり苦戦を強いられてる印象があるんですがその辺はどうなんでしょうか。この分野に関しては門外漢なので憶測なんですが、南半球でのシャトル種牡馬成績がひとつの指標にされているのであれば、そこでイマイチ結果を出せていないことが、サンデー系の欧米への進出を阻害してるんじゃないかなぁ、とも思ったり。
 ディヴァインライトの活躍が、その流れを変えるようなものであればいいんですが。


<さらに追記>
▼ノモケンは同じ文章の中で、カジノドライヴのオペレーションを、プレイヤーとしてある種評価してるようなことを書いてますが、僕に言わせれば「<JRA所属馬>ということを態の良い保険にしてるだけ」の狡猾な手管にしか見えないんですが。今回のように「血」という観点から見るなら尚更。まぁ僕の視線はこの件に関しては色眼鏡越しですけど。