鉄は伸びる
●http://news.bloodhorse.com/article/46274.htm
▼原因とか理由はおいておいて(「よくわかんないのでこれから有識者集めて研究する」と書いてあるような気がする)、アメリカでは、
米国では、今の馬の生涯出走回数が、約30年前の馬のおよそ半分になっているという話。だと思う。
http://b.hatena.ne.jp/kazyama/20080726#bookmark-9435616
という統計データがあるらしい、という話。正直、そっちの理由は僕にはよくわかりません(上級馬については、繁殖馬ビジネスのトレンド変化が大きいと思うんですけど)。
一方、同じ記事のブクマで殿下が、
結構サラブレッドの歴史自体が「タフさを失った歴史」みたいに言われがちではあるんだけれど、一方で昨今の本朝では逆に息の長い馬が増えたりしてるなんてのもあって。
はてなブックマーク - mahalのブックマーク / 2008年7月26日
ということを書かれているわけですが、少なくとも日本において“息の長い馬が増えた”理由については、アメリカの事態と違って、ひとつ明確なものを挙げることができます。
<世代別オープン馬出走数・出走年齢分析>
- TARGET調べ(2008/07/26時点)
- 収得賞金1601万円以上の馬を集計
- 障害含む
- マル地含む
- カク地・カク外除く
生年 | 現齢 | 全頭数 | 内7歳以上 出走頭数 |
全出走数 (1頭当) |
内7歳以上 出走数 |
|||
1987 | 21 | 97 | 25 | 25.8% | 2623 | 27.0 | 123 | 4.9 |
1988 | 20 | 103 | 32 | 31.1% | 2795 | 27.1 | 196 | 6.1 |
1989 | 19 | 99 | 25 | 25.3% | 2571 | 26.0 | 200 | 8.0 |
1990 | 18 | 104 | 43 | 41.3% | 3011 | 29.0 | 301 | 7.0 |
1991 | 17 | 114 | 40 | 35.1% | 3315 | 29.1 | 282 | 7.1 |
1992 | 16 | 98 | 27 | 27.6% | 2688 | 27.4 | 205 | 7.6 |
1993 | 15 | 113 | 52 | 46.0% | 3340 | 29.6 | 394 | 7.6 |
1994 | 14 | 108 | 48 | 44.4% | 3169 | 29.3 | 315 | 6.6 |
1995 | 13 | 121 | 55 | 45.5% | 3341 | 27.6 | 368 | 6.7 |
1996 | 12 | 99 | 42 | 42.4% | 2846 | 28.7 | 260 | 6.2 |
1997 | 11 | 131 | 65 | 49.6% | 3809 | 29.1 | 502 | 7.7 |
1998 | 10 | 117 | 57 | 48.7% | 3382 | 28.9 | 442 | 7.8 |
1999 | 9 | 144 | 85 | 59.0% | 4321 | 30.0 | 649 | 7.6 |
2000 | 8 | 114 | 66 | 57.9% | 3410 | 29.9 | 426 | 6.5 |
- 競走寿命(現役期間)は、かなり明確に延びる傾向にある
- 1993年産馬の世代から急激に延びている
- 一方、1頭当たりの「競走生活全体における出走数」は、ほぼ横這い〜微増
で、ここにひとつの条件をあてはめます。
JRAは2000年、各厩舎の管理頭数の制限を緩和し、上限を貸与馬房数の3倍とした。
サラブネット
2000年……つまり、1993年産馬の7歳時、ということになりますね。
この数字を鑑みるに、「出走数÷現役期間」を「競走密度」とするならば、預託可能頭数の増加(=「見切り時」の先送り可能性の増加)と馬余りによる除外ラッシュによってそれが細く長く引き伸ばされているだけで、馬自身がどうにか変わった(例えば「タフになった」)わけではないのかなぁ、と。
ただ、そういう流れを踏まえた上で、日本の競走馬が最近やたらとタフになってるのは、ぶくまでも書いたけれど一つ不思議な流れとしてはあるよなぁ、みたいなことは考えたりします。
キングジョージ直前である。 - 殿下執務室2.0 β1
「別にこれが正解と言うつもりはまるきり無い」んですが、ひとつの仮説として、どんなもんでしょうか>殿下。