馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

カジノドライヴ屈腱炎発症に思う。

カジノが屈けん炎 「症状重い」藤沢和師 - 競馬ニュース : nikkansports.com
http://www.sanspo.com/keiba/news/090504/kba0905040503002-n1.htm
▼アンチ藤澤和師という立ち位置を鮮明にしている僕だけに、さぞプギャーな心境かと思われる向きもあるかもしれません。が、もう出資馬がいなくなった今では個人的に関係ありませんし、またそれ以前にこのケースについては判断に苦しむ面もあります。
 というのも、東京サラブレッドクラブが配信する競馬情報サイト・J-horseman(http://www.j-horseman.com/)の記事にこんな記述がありました。


カジノドライヴ特別編 - 山本英俊・清水成駿酔いどれ対談

駿
帰国してJCダートに挑みます。
私は藤澤先生のことだから、
てっきり春までは休養させるのかなと思っていました。
ところが出走してきたのでちょっと驚きましたが、
それでも藤澤さんが出す限り勝ち負けになるだろうと
◎を打ちました。


藤澤先生は休ませるつもりだったようです。
この馬の1年間はたしかにハードでした。
新馬戦が地元じゃなくて京都、出国検疫は新潟競馬場
そしてニューヨークとロス、アメリカを二往復させましたからね。
見た目は強行軍ですが、実際はそれほど痛んでいるわけじゃない。
それに、休ませてどうするんだ、という思いがありました。
一生に使えるレース数は限られていますからね。

なら、レーティングで出走のチャンスがあるJCダートを使い、
フェブラリーSをステップにドバイへ挑戦させるべきだと思いました。
JCダートでは、私も先生もJRAの一員として
日本の競馬の盛り上げに貢献すべきだろうと思いました。

駿
その思いはうれしいね。
でもそれで藤澤先生は納得したんですか。


けっこうシビアな議論になりましたよ。
もうけんか腰でしたね(笑)。

強調部分は引用者によります。まぁそんなわけで、一連のカジノドライヴの強行軍は、オーナーサイドの意向が大きかったわけですね。
 ただ、続いてこういう記述も。

駿
そしてアレキサンドライトSを叩いたフェブラリーSで一変した。
私は藤澤さんが54秒2という前日追いをかけてきた時点で
彼の本気度を察知しました。
ガラリと変わってきた馬も偉いが、
ここ一番にきっちり仕上げる藤澤さんの手腕は並じゃない。

本気度もなにも、15-15やってから本追い切り、なんて離れ業すら辞さない藤澤和センセからすればごく普通の仕上げなわけですが。それが証拠に、先週日曜に出走した藤澤和厩舎馬の坂路調教履歴を見ると、東京で出走した馬はレース前日、新潟で出走した馬はレース前々日に、総じて14-14ぐらいのところをやっています(当然水曜には13-13かそれより速い時計の本追い切りを消化している)。このやり方は条件馬でもオープン馬でも変わりませんし、カジノは能力があるからそれが13-13に近くなってしまった、というだけのことでしょう。
 というわけで、一旦レースに出すとなったら遠慮会釈なく攻め立てる管理手法は、当然ながらこうした故障リスクと表裏一体。なのでまぁ、オーナーサイドのゴリ押しだけが原因かと言うとそうとも言い切れません。とりあえずの結論としては、「成駿さんはもう少し下調べしてから喋らないと恥ずかしいですよ」といったところでしょうか(そっちかよ)。


<参考:藤澤和厩舎の先週日曜出走馬・坂路調教状況>

馬名 水曜追い 前日(前々日追い) 出走レース(結果)
ダノンマスターズ 51.5 63.5→不明(2F27.5) 500万下(2着)
ピサノパテック 50.1 62.9→59.7 谷川岳S(3着)
ピサノシェンロン 50.6 64.4→56.0 500万下(6着)
マチカネゲンジ 61.0→50.6 65.5→58.0 1000万下(6着)
ロックバルーン 63.2→55.3 64.5→57.4 500万下(1着)

▼こんな感じでした。マチカネゲンジやロックバルーンなんて、これでよく壊れないもんだと逆に感心します。


▼関係ありませんけど、土曜に東京で使った4頭の内、連闘のタイガーマスクを除いた3頭(サトノサーガ・ガンズオブナバロン・サトノエンペラー)は、揃って水曜追いをコースでやってるんですよね。土曜出走馬はコース追い、日曜出走馬は坂路追い、とクッキリ分けている意味はなにかあるんでしょうか。不思議。