馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

2003年産馬出資(チキン)レース・ラストスパート

▼久々に一口の話題を。というか、元々それと毎週の予想メインで考えていたこのブログだったわけですが、ナミ抜きで大海に漕ぎ出たゴーイングメリー号の如く迷走した結果、このような有様になってしまったわけで、そういう意味では本道回帰というニュアンスもなくはないんですが、所詮単発のことで、すぐに元の木阿弥だろうというのは本命の逃げ馬に乗った武豊並にガチ。別に何も困らないので構いませんけど。


▼というわけで今日のお題は、見出し通り、今年の2歳馬の出資について。ボチボチ2004年産の募集馬ネタも盛り上がってこようかというこの時期ですが、そこはまぁ、「残り物には福」ってことで。本年度の出資検討の崖っぷち、さて落ちず余さず、ギリギリのところで上手くブレーキを踏めますかどうか。


<サウスニア>
▼2003年産の募集締め切りが7/31までと迫っています。2000年産〜2002年産のマル外3世代計21頭は、中央勝ちが7頭で10勝と大不振。マトモなバランス感覚を持っていればとてもアクセルを踏み込める状況ではありませんし、実際2003年産のマル外については1頭も満口馬が出ていない(満口になりそうな馬もいない)ことが、それを如実に物語ってしまっています。しかし、一口募集馬で質的に社台グループ系に対抗しうる背景を持っているのはここの、それもマル外以外に無い現状だけに(理由は言わずもがなでしょう)、引き続き注目せざるをえません。
てなわけで、虎視眈々と駆け込み出資を狙っているわけですが、ううん、これがまた難しい。今日届いた会報に、毎年恒例・"Horsemen's Eyes"(関係者の募集馬インプレッション)が掲載されていたので、その辺を足がかりに絞込みを図ってみたいと思います。ちなみに募集馬詳細はサウスニア公式サイトを参照のこと。

Myth'03(by Storm Cat)

  • 「立ち姿が凄くカッコイイ」(葛西成人氏・藤澤和厩舎調教助手)
  • 「まず血統に惹かれました。写真を見る限り、攻め馬をやった後みたいで、もう少し腹回りに余裕があってもよさそうですが、立ち姿や形がいいですね」(北村宏司騎手)
  • 「コンフォメーション(筆者注:構造・形態)、バランスがいいですね。写真からはやや仕上がりすぎている感じが窺えますが、これは本当にいい馬だと思います。いい意味でパワフルすぎず、しなやかさがありそうで、あまりストームキャット産駒らしくないですよね」(勢司和浩調教師)
  • 「強いて挙げればもう少し腹袋が欲しい感じですが、やっぱり良さそうですね。在厩先のファンタストクラブはこういったタイプをフックラ造るのが得意ですし、きっといい馬になってくるはず」(高市圭二調教師)
  • 「エイダンオブライエンが『将来的にうまく成長してきたら、この馬が抜けてしまう可能性がある』と来日を恨めしがっていた馬。確かに可能性を秘めている馬だと思いますよ」(藤澤和雄調教師)
  • 「いいぞぉ〜。皮膚がとても薄くて、身のこなしの柔らかさも凄い」(藤澤民雄・ファンタストクラブ場長)
  • 「(Let's Escape'03とこの馬が)『抜けているな』と感じました」(細江純子氏)
  • 「撫でた際の皮膚のヌメッとした感触、筋肉を映し出すようなその薄さ。決して大柄ではないものの、物凄く雰囲気のある馬だと思います」(米っち)


 言わずと知れたJohannesburgの半弟。父がヘネシーから御大に替わって、血統的な期待感はサンデー産駒を含めても世代屈指でしょう。その馬体もまた素晴らしく、これぞ血統馬という気品に満ちています。今風に言えば「クオリティタカス」(←一気に品格が落ちた)、もとへ、喩えるなら、画家に「理想的なサラブレッドを描け」と指示すればこのような姿形になるのではと思わせるグッドルッキングホースです。この馬については、「エイダンが、サウスへ行く愛育成馬に対して、初めて流出を惜しむ発言をした」という噂を耳にしていたんですが、藤澤師のコメントがそれをある程度裏付けているようにも思えます。
 ただし、出資の対象として考えるのであれば、ジャッジしなければならない大きなポイントがひとつ。北村騎手と勢司師・高市師のコメントにある、「仕上がりすぎている」というニュアンスの印象です。確かにその血統背景を考えると、今の素晴らしい馬体は「現時点で既に完成形なのでは?」という疑念が湧きます。もしそうであるとすれば、調教を手控えられている現状で460キロそこそこ、しかも見た目の印象では「仕上がりすぎ」という馬体が、果たして激しいサバイバルレースに耐えうるのかという不安感は否めません。さらに、着地検疫が明けるのが9月中旬ということで、完成度の高さをアドバンテージにする機会も失われており、これは今後の調教の進め方次第では致命傷となりかねないと考えられます。というのも、Storm Bird系の競走馬は日本で芝重賞を6勝していますが、「その全てが3歳春までの世代限定戦」という明確な特徴があるからです。
 とはいえ、胸前ドーン、尻ボーンというJohannesburgと違って、軽い日本の芝のスピード競馬への適性は十分感じさせる馬体だけに、このまま一回りのボリュームアップを果たすことができれば、少なくともミスターケビン以上、あるいはシーキングザダイヤ級の活躍も見込めるだけの可能性は秘めているはずです。それだけの血統背景と、なにより馬体の美しさを誇っていますので・・・・・・。一口出資=夢を買う、という認識なのであれば、この世代で出資すべきは、何をおいてもこの馬であることは間違いないと思います。


で、そういう自分はどうなのかというと・・・・・・夢を見るには、現実で辛い目に遭い過ぎました・・・・・・orz


結論:すっごく欲しいけど、高くてとても手が出ません。

Awwaliya'03(by Red Ransom)

  • 「ウッドではピッチ走法ですが、芝にいくと結構伸びやかに走ってくれます。胸幅があって、首さしも長くなく、これから乗り込んでいって良さが出てきそう。同厩で言えば、シンコウキングのイメージに近いタイプですね」(ファンタストクラブ副場長・石坂光幸氏)
  • 「馬体オンリーで言うなら、(Myth'03と並んでこの馬も)捨てがたいですね。どちらの種馬も好調の持続に注意が必要な産駒が多いのですが、藤澤師なら大丈夫でしょう」(高市圭二調教師)
  • 「馬体のよさという点では(Myth'03に)負けていない。ゆったりした漢字の繋ぎ、柔らかそうな背中、何よりバランスのよさは強調できる。アメリカで育成時に携わった関係者も「スピードがありそうだし、気性面も問題ないので比較的早めに動けるのでは?」と語る」(平松さとし氏)
  • 「難しそうなところがなさそうで悪くない雰囲気。ファンタストクラブのスタッフが『成長力がありそうで、面白い存在』だって」(藤澤和雄調教師)


 関係者が認めるように、バランスが良く、ミスの少ない馬体。馬格もあり、筋肉の付き方も上々で、この世代では一番安心して出資できる馬と言えるのではないでしょうか。
 ただ、セール出身だけあって初回パンフレットの段階から完成度が高そうに見え、近況写真でも他の馬に比べ変化に乏しい印象があります。実際に携わっている人の「これから良くなりそう」という意見を信じるのが筋なんでしょうけど、ここからの伸びしろという点では個人的に疑問符が付きます。
 父の産駒の傾向としても、ユノペンタゴンアポインテッドデイに代表されるように、早い時期から完成度で勝負する印象。高市師の指摘通り、好調期間の長い産駒を出すようなタイプの種牡馬ではなさそうです。それでも丈夫であればそれなりに力は維持しますが、基本的に底力と切れる脚がないので、上がりが掛かる展開待ちか一線級のいないダート戦に活路を見出すか、というのが類型です。海外での代表産駒が、牝馬限定の芝中距離G1馬ばかり、というのは、ある種象徴的かもしれません。
 そんなわけで、多分この馬が一番間違いのない選択なんだろうなと思いつつも、個人的には食指を動かされるタイプの馬ではないようです。


結論:良い馬ながら、好み的に見送り。

▼気力が続けば、明日以降も。


▼TV版長編ルパン三世の最新作を観ました。SF風味のガジェット、お色気のギミック、現実離れしたアクションと銃撃戦のショウアップ・・・・・・本来彩りであるはずのスパイスを、塊でそのまま口に放り込まれたような不快感。一言で言って腹にもたれました。美女軍団の小悪党演技の下手さ(というより過剰な演出による失敗だと思う)に能登かわいいよ能登と口走る暇も無く、永遠のセックスアピール不二子も目をつぶって聞けばもう完全にオバサン声。現体制ではもう限界、というか寿命ジャマイカ。あとはもう宮(ry