馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

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Racing Blog:大井競馬の「外国現役馬」の導入について - livedoor Blog(ブログ)
▼ものすごく突っ込みどころのある出来事だった割にあんまりブログ界隈の反応がないなと思ってたんですが、必読もののエントリが来ました。勉強になります。とはいえまだまだ全然分からないことばかりなので、こっちも突っ込み待ちぐらいの勢いで(えー)探り探りに雑感を。
 えっと、JBBAが生産者の中央団体ってことは、JBBAの姿勢が生産界の姿勢ってことでいいんですよね? そう前置いてJBBAのディスクロージャ情報見ると、業務内容を見る限り内向きの行動しか取ってないように見受けられます。平成17年度の事業報告見ても、

前年と同様に関係機関の協力と支援を得ながら、種馬事業・競馬法改正によって措置された競走馬生産振興事業(地方競馬全国協会補助事業)等を着実に実施し、強い馬づくりと生産構造等の改善及び海外流通の促進に努めた。

と、結局何やってたんだか全然わかりません。少なくとも国内流通の促進はしてない雰囲気。てか、自分の馬は海外に売り込みつつ、海外からの資源流入はどれだけ小規模でもノータイムで拒否りますか。やー、素晴らしいご姿勢ですこと。
 しかし、平成17年の収支を見ると、単年で10億円以上の黒が出るような団体なんですね。知らなかった。なら大層有意義なことができるだろう、と思ったら、平成18年の収支予算を見ると18億の赤字で繰越金もほぼチャラ。ロックオブジブラルタル高かったんだろうなぁ(デビッドジュニアも安くはなかったでしょうけど)。クールモアとの契約内容も含め異例づくしの導入だったようですし、正直こんなことに大金使ってる場合かよという気もします。
<参考>
「動かない民」の行く先は? 大物種牡馬導入の影で - サラブネット

 JBBAのロックオブジブラルタル導入は、異例づくめだった。第一に完全譲渡でない。JBBAが手にしたのは「2007年の北半球での種付け権利」で、来年以降、クールモアから買い戻しのオファーがあれば応じなければならないという。買い戻しの特約は10年まで残り、年数と共に買い戻し価格は下がる設定だ。

▼変な契約。そこまでして買う必要があったんでしょうか?

 もともと、JBBAの種牡馬事業には「民業圧迫」という批判がつきまとった。批判を再燃させかねない案件なのだが、当の生産界にそういう雰囲気はない。(中略)社団法人のJBBAは今後、公益法人改革の矢面に立つ。単なる業界団体は「公益」を認定されず、現在受けている優遇措置が撤廃されたり、JRAからの種牡馬寄贈が税制上、問題化する可能性もある。危機感を持っているのだろうか?

▼持ってる危機感があさっての方向、に3000点。攘夷姿勢を守りつつ国内の血統レベルを上げればそれで内需拡大できると思ってるんじゃないか、という節がありますよね、見てると。こういう概況を確認した上でRacing Blog2007さんの記事に戻ると、

JBBAや生産者団体にとっては本来重要な顧客であった地方競馬に対しての意識が希薄だったのではないか。それは補助金をあてにする意識の強さに反比例した、本来、持っていなければならない「顧客意識」の希薄さのように私には見える。

http://blog.livedoor.jp/birdcatcher/archives/50713246.html

▼自分にもそう見えます。言い方を返せば、「買い手」を見て何かやってるようにはとても見えない。地方競馬に対しても、寄付をしたり、スタリオンシリーズとかでやるべきことはやっている、なんてコメントが記事に付いてましたが、そんな腹の痛まない程度の援助で何が変わるというんでしょうかね。
 ただまぁ、勉強不足なので大したことは書けないのが悲しいところ。しかし仮に、アマの中でも知識も関心も非常に高いレベルにあると思われるBird氏でも腑に落ちない部分が、単に情報伝達不足に起因しているのだとすれば、これはもうJBBAはじめとする生産者側のディスクロージャが不足していると捉えるしかないのでは、という気も。まずどっちを向いて商売しているのか、いや、商売している意識があるのかすら見えないような状況で、一体なにを理解しろというのか、という。



<おまけ>
JBBA役員名簿

理事  鈴木 宗男