馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

サウスニア2005年2歳募集馬インプレッション①

サウスニアから来年の2歳馬のパンフが届きました。サウスの募集が始まると、ああ、もう年の瀬だなと実感することで、自分の一口歴もそれなりに長くなってきたんだなということをさらに実感するという奇妙な二重構造。まぁそんなことはどうでもいいとして、せっかくですので、今回募集される馬についての個人的な感想・評価を1頭ずつ、つらつらと書き綴ってみようかと思います。

1番馬のヨハネスブルグ半弟はちょっと後回しにして、まずはこの馬から。

Awwaliya'03

  • Red Ransom 母の父Distant Relative
  • 募集総額5,460万円(税込)
  • 藤澤和雄厩舎(予定)

Keeneland September 2004 Yearling Saleにおいて、$225,000で落札。大体税抜2,500万円ってところでしょうか。それが、2ヶ月で税抜5,200万円に。輸入諸経費はパンフに「700〜900万円程度」と明記されてますので、900万円を控除したとしても、上乗せ1800万円。んー・・・・・・ちょっと微妙かも。まぁ、一昔前の○ードとかに比べれば全然マシなんですが、税込みで5,000万を切る設定ならなぁと思ってしまいました(贅沢でしょうか?)。会員数が結構減っているという噂を耳にしますし、なかなか台所事情も厳しいのかもしれません。

同セールでRed Ransom産駒は25頭ぐらい落札されていますが、この馬はその中でも2番目の高額馬(種付料は多分LFで$25,000)。ただ、値段だけのことはあって、一旦仕上げられたセール馬ということを考慮しても馬体は上々。パンフだけの印象からいけば、今回の募集馬で1番の好馬体と言ってもいいんじゃないでしょうか。

Red Ransom('87年生)はRobertoの直仔で、代表産駒にPerfect Sting('00年BCフィリーメアターフ)、Casual Look('03年英オークス)など。忘れた頃にポツンと芝の大物を出す、いかにもRoberto系というたたずまいです。日本での産駒成績を見ると、丈夫でへこたれず、クラスが上がっても相手なりに走りますが、その分勝ち切る脚がなく飽きるほど3着を繰り返すタイプが多く、これまた典型的なRoberto系。また、Damascusが入っているのもタフさの源のひとつでしょうか。こういうタイプの産駒は、下手に成長を待って大事に使ってもトボけたままのことが多く、イジメてイジメてやっと目を覚ましてくるイメージです。

それだけに、前提となるタフさをキチンと受け継いでいるかどうかがポイントになってくるんですが、そこで気になるのが本馬の持つRobertoの2*3という強烈なインブリード(母母父がRoberto)。馬体を見る限りでは「賭けに勝った」印象はありますが、目に見えない部分での健康度に問題があるのではという懸念は否めません。

ちなみに母の父Distant RelativeはHabitatの直仔で、サセックスSとムーランドロンシャン賞を勝った一流マイラー。しかし種牡馬としては泣かず飛ばずで、現在は(多分)トルコで繋用。Red Ransomは芝ダート兼用ですが、この母の父と、重ねられたRobertoから見て、重ための芝中距離馬というイメージではないでしょうか。日本適性という観点からは疑問符が付きます。

<独断と偏見の評価>(最高☆5つ)
馬体:☆☆☆☆ (均整の取れた好馬体)
血統;☆☆☆  (母系はまあまあ)
配合:☆    (重苦しさが目立つ)
値段:☆☆   (セール出身だけに割高感あり)
適性:芝中距離・ジリ脚パワー型
出資可能性:△(馬体魅力もリスキーな印象)

以上、あくまで私見です。出資の参考にされることはオススメしませんし、もちろん責任も持ちませんので悪しからずご了承ください。