馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

サウスニア2005年2歳募集馬インプレッション③

明日ボーナスが出ます。多分出ます。出ないんだったらさすがに今日までになにか言ってきてるはず。支給予定日当日になって「あー・・・・・・、今年の冬のボーナスは出ませんから! 残念!」とか既に完熟気味(あとは腐って落ちるだけ)のネタ混じりに告げられた日には、おそらく当分立ち直れません。そんなことはさすがに無いと信じたい。といっても明日は休みなので、銀行からの振込み通知メールを恐る恐る待ちます。

ま、たとえちゃんとボーナスが入ったとしても、多分馬関係ですぐになくなっちゃうんですけど。というわけで、どの馬にボーナスを貢ぐか検討するこの企画、3回目です(貢がない、という選択肢はないのか)。

Mountains of Mist'03

父Desert Princeは愛2000ギニー・クイーンエリザベスⅡ世S・ムーランドロンシャン賞と、欧州のマイルG1を3勝。立派な成績ではありますが、負かしたのがSecond EmpireやDr.Fong、Zalaiyka、マイル戦でのシーキングザパールといった程度の面々。インターナショナルクラシフィケーションでの128ポンドという数字は、今にして思えば過大評価、あるいは同期の面子に恵まれた結果だったように感じます。

種牡馬としては、2004年度の3rd Crop Sire内での英愛リーディング1位。とはいえ、総合リーディングでは25位にも入っていません。ただ、初年度産駒からMail the Desert(モイグレアスタッドS・G1)を出し、他にもイタリアやオーストラリアでG1勝ち馬を輩出。種付料も20,000ユーロとまずまずの水準を保っています。

日本での産駒成績は、3歳以上の2世代だと3頭が走って3頭とも勝ち上がり、4勝。日本に合うDanzig系ということもあり、堅実に走っています。勝利距離は芝1600(重)、芝2000、芝2200(稍)、ダ1200。配合次第のところはありますが、基本的には欧州色の強い種牡馬と見ていいでしょう。ちなみに2勝しているのは、ミッドタウンの半弟に当たるキュアノス。

母Mountains of Mistは優秀な繁殖。1997年から6年連続で産駒を出し、うち5頭までが勝利。Grand Lodgeとの配合で産まれたMadeira Mistは、アメリカでG3を勝っています。さらに祖母はコロネーションSの勝ち馬Magic of Life。近親にチューニーなどもおり、筋が通っていて活力もある好牝系です。

馬体は、骨格的にも筋肉的にもどっしりしたタイプ。日本向きの素軽さという点では疑問符がつくが、逆に言えば、大物感と換言できそうな重厚感は看取できる。そのボリュームを支えられそうな骨格・関節の確かさにも恵まれており、馬体的な楽しみは大きい。パンフでは皮膚が少々厚ぼったく感じられますが、これは光量の問題もありそうでなんとも言えません。

配合的には、前述のMadeira Mistが同じDanzig系のGrand Lodgeとのマッチングだけに、相性としては問題ないと見ます。ただし、当然ですがGrand Lodgeに比べるとDesert Princeでは種牡馬としての格が現状2〜3枚落ちるだけに、それなりの評価に落ち着いてしまいます。また、父がGreen Desertの仔とはいえ母系にステイヤー血統が入っていること、母父がShirley Heightsであることを考慮すれば、馬体の印象とも相まって、雰囲気的には重苦しさがつきまといます。パンフではマイル路線を意識しているコメントですが、それは欧州でのイメージの話。Mill Reefのクロスの影響も含め、日本ではどうでしょうか。

<独断と偏見の評価>(最高☆5つ)
馬体:☆☆☆  (重厚感がありバランスも良好)
血統:☆☆☆  (母系の質の高さは魅力)
配合:☆☆   (日本向きの軽快さに欠ける印象)
値段:☆☆☆  (父の評価と良質な母系を考えれば妥当か)
適性:時計の掛かる芝中距離
出資可能性:▲(魅力大きいが軽快さに欠ける不安あり)

以上、あくまで私見です。出資の参考にされることはオススメしませんし、もちろん責任も持ちませんので悪しからずご了承ください。