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▼競走馬の前脚は、真っ直ぐであることが良しとされています。横から見て膝が後ろに引っ込んだように反っているのは凹膝・弓脚などと呼ばれ忌み嫌われますし、前から見て膝、もしくは球節から下が馬の中心軸から見て内あるいは外に向いているのはそれぞれ内向、外向と呼ばれこれも敬遠されます。
それで実際はどうなのかというと、程度はともかく曲がっていない馬の方が少ないぐらいですし、大体曲がっていても走る馬は走ります。去年だと、ヨーロッパでアトラクションという牝馬が大活躍しましたが、この馬は立ち姿どころか、走ってるレース映像を見てもあからさまに曲がってるのが分かるぐらいの脚でしたから凄かった。
ただ、やはり真っ直ぐな脚の馬よりリスクが高いことは間違いないところですし、アトラクションにしたところで、曲がっている脚に負担をかけないような特殊な走り方をマスターしたおかげであれだけ走れているという面もあるようです。ギャグには適度なヒネリが必要ですが、脚と性格はやはりできるだけ真っ直ぐの方がベターでしょう。
▼なんでこんな話になったかというと、ふと、そういえば自分は内向だったなぁということを思い出したからです。生まれつき左足首が内側に向いていて(診断名は「先天性内反足」)、3歳ぐらいの時に手術、その後も数年間ギプスをはめていました。その甲斐あって見た目はちゃんと真っ直ぐになったんですが・・・・・・走るのは、今も昔もめちゃくちゃ遅いです(苦笑)。
そんなわけで、サラブレッドに生まれなくて良かったなぁと思う次第。境遇上、脚曲がりの馬には心情的に頑張ってもらいたいんですけど、「やっぱり走るにゃ曲がってない方が良いよなぁ」というのが実感としてあるのも確かで、その辺なかなか複雑です。