馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

ダノンクラフト(Danon Craft) 牝
クロフネ/母キャスティングガール 戸田博文厩舎 ダノックス
<馬名意味>
『冠名+力(独)。桜花賞馬にあやかって』の意。


 「ダノックス」は、システム開発会社オービックの会長・野田順弘氏の競走馬管理会社。2005年のセレクトセールでは、ダノックス名義で6頭を計56500万円、野田みづき氏(オービック副会長)名義で4頭を計22200万円で落札。2004年も同名義で合計9頭をしめて48100万円で落札しており、最近注目を集めている馬主さんです。ちなみに今年のセレクトセールでは、ラインクラフトの半弟となるマストビーラヴド2005(父シンボリクリスエス)を21000万円で落札しています。この馬の名付け方でも分かるように、ラインクラフトには並々ならぬ思いがある方のようです。
 ただ、名付けのセンスや馬の買い方といった点で、いかにも成金的というか、あまり感銘を受ける部分がない馬主さんだなというのが、率直な感想。名前を借り、ゆかりの血をお金にものを言わせて買い取れば、桜花賞馬の名誉まで受け継げると思っているんでしょうか。
 ラインクラフトの冠名ラインRheinは、おそらくドイツはライン川の”ライン”。なぜなら馬主の大澤繁昌氏が最初に持った馬・ラインシルバーの父がラインゴールドで、その”ラインゴールド”という言葉は、その昔「ライン川で砂金が採れた」という黄金伝説から来ていると思われるからです。そうして考えると、「ラインクラフト」という名前も、なかなか含蓄のある馬名のように聞こえてきますね。(もっとも馬主さんとしては、「たまたま最初がラインシルバーという名前だったから」という軽い理由で冠名にされたようですが)
 さて、それではダノックスの”ダノン”には、一体どういう背景がある言葉なんでしょうか。今のところ寡聞にして全く想像もつかないような状態ですが、今後紡がれていく「ダノン○○」という馬たちのストーリーを語る上でも、是非知っておきたいものです。


http://keiba.radionikkei.jp/news/20050809K01.html

 アグネスタキオン産駒の活躍を見届けて安心したかのように・・・・・・と書くのは、あまりにも類型的過ぎる感傷でしょうか。ともあれ、この牝馬が競馬界に与えた影響は計り知れません。ありがとう、そして安らかに。