馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

出資の秋、散財の秋(キャロット編)

▼古来より秋は収穫の季節というのが相場なわけですが、一口者にとっては、来年以降笑うための種蒔き、もう少し正確を期すなら青田買いのシーズンとなります。特に人気のある地区の田んぼは、早めに確保しておかないとすぐ他人のものになってしまうので、海のものとも山のものともつかないうちから手を出さざるを得ないという状況です。

 そんなわけで、まずはシーザリオ効果で会員数急増、一気に競争率が高くなってしまったキャロットの'04年産馬の1次と1.5次(抽選落ち会員の優先申込)に臨み、都合6頭の出資を決めました。

●1次募集において会員抽選の結果出資決定。いかにもダンスという腰の甘そうなタイプ。ただ、全体的な雰囲気は悪くなく、雄大でゆったりした造りや落ち着いた顔立ちには好印象。厩舎も個人的にはロードウィズダムという出資馬の管理に好感を持っていたので、中長距離タイプの牡馬が何頭か欲しいという前提に基づき総合的に判断して出資を決めました。でもクラシックというよりは、古馬になって淀の2400mあたりを走っているイメージで。

●今回の本命。会員では満口にならず、新規入会者の申込みを含めてやっと満口に。個人的には抽選覚悟だっただけに嬉しい誤算でした。父スペ、半姉ムーンライトタンゴという血統背景にこの馬の造りですから、もっと人気するかと思ったんですが。細身なのが嫌われたのかもしれませんが、明らかに中長距離指向の背景ですからむしろ強調点ではないでしょうか。スペ×トニービン×ディクタスという配合はちょっとたまらない(良い意味で)感じ。厩舎も丁寧な管理で個人的には印象最高、これからは社台やノーザンのバックアップも手厚くなってくるであろう若手の有望株です。そんなこんなで、この世代はこの馬次第、というぐらい入れ込んでいます。

●1.5次終了時点で残口あり。「ダンス牝馬は走らない」というのは、数ある競馬格言の中でも信憑性の面ではかなり上位に位置すると思われ、さらに一口筋(だけじゃないでしょうけど)では評判の良くない小島太厩舎ということも併せて人気がないようです。ただ、母父Storm Catは母系に入って良い血で、おばにレディパステルがいることも含め血統背景としては上々、馬自体の出来も、ジェイドやバクシンオーを付けられた上とは傾向が違うものの、強調しておいてよいレベルだと思います。あと、顔が可愛いのがひそかにかなりのツボ。迷ったら品のある顔、凛とした顔、そして可愛い顔の馬を選べばそう間違いはない、というぐらい顔は重要だと考えてます。良い馬だと思うんだけどなぁ。

●1.5次終了時点で残口あり。これも厩舎が嫌われたのと、同じくキャロットで募集された現3歳の兄が気性難で苦労しているのが不人気の理由だと思われます。しかし、馬体自体はまとまりがある中に充実感のある筋肉が(特に後躯に)詰まっており、脚元も含め健康度は高そう。気性面の不安も、ダートの短距離指向がはっきりしていそうなのを考えればまだフォローが利くかもしれません。大物感という点はともかく、気性という爆弾さえ我慢してくれれば、値段以上の活躍は期待しても良さそうです。

●1.5次終了時点で残口あり。ブライアンズタイム系と母父ノーザンテーストの良い面同士がマッチしたような馬体の出来で、脚元や体質の健康度については申し分なさそう。爆発的なスピードや鋭い切れ味といった期待感には欠ける反面、ひとつ勝てれば30〜40戦ぐらいコツコツ走ってくれるんじゃないかという印象があります。とにかく使い込む厩舎なので、タフネスが最大の特徴と言えそうなこの馬とのマッチングも良さそう。「小池騎手の恋人」になってしまう懸念はありますが、まぁそれはそれでアリか、といった感じのチョイス。

  • シーキングロイヤルの04(父デヒア) 作田厩舎

●会員・新規の申込み併せて満口。デヒアの牡馬、母父Seeking the Goldで上に牝の3勝馬、近親にトーヨーデヘアという血統で1200万円という値段は破格。なにか問題があるのでは? と邪推したくなるところですが、単純に「生産:ロイヤルファーム」というあたりが原因なのかなと(噂レベルの話で詳しく知らないんですが)。この馬については、その値段が魅力だったのと、率直な話、ロードウィズダムという同じくデヒア産駒の現3歳馬(2勝)の二匹目の泥鰌狙いというのが出資理由。血統はもちろん、馬体の造りや雰囲気も(自分の感覚では)よく似ていたので・・・・・・。OP特別で3着・5着したウィズダムほどでなくても全然構わないので、身の丈の範囲で出資者孝行な馬になってくれればいいなと。


ちなみに、レッドヴェルベットの04とマイケイティーズの04の2頭は、申込みましたが落選。残念でしたが、無念さに身悶えするほどでもない感じでした。それでも、良いと思って選んだ馬たちなので、是非活躍して欲しいと思います。


▼この「仕入れ」の結果が出るのは、概ね2年後以降。スパンの長い趣味ですが、そのへんがまた醍醐味かも。