喪中。

▼ロードフュージョンという出資馬が、先週の千種特別で競走中に故障を発生し、予後不良となりました。元々屈腱炎持ちで、状態があまり良くないのを誤魔化しながらの続戦でしたから、半ば覚悟はしていました。わざわざ中京まで現地応援に行ったのも、いつまで現役でいてくれるか、という危機感込みでの行動でしたが、実際に目の前で起こってしまうと、さすがに打ちのめされます。
　思えばレース前、雷神の怒りを孕んだ暗雲が雨の匂いを乗せた凶風とともに訪れて一天俄かに掻き曇らせ、やがてファンファーレを呼び水とするように激しい雨が地を叩き始めたのは、過剰なほど出来すぎな演出だったような気すらします。その後メインのセントウルＳが終わるまで散々振り続けた雨は、涙雨と呼ぶにはいささか豪雨に過ぎましたが。
　このことで競馬全てに絶望してしまうような純朴さは、幸か不幸か既に失ってしまっています。今はただ、嵐のように訪れそして去っていった悲しい事故に心を痛めるとともに、失われた一頭の競走馬の魂よ安らかなれと悼むばかりです。それでも競馬は続いていく。でも、今は、もう少しだけ。