馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

捨てる神あれば拾う神あり

京成杯優勝馬生産 道見牧場 「重種馬」で経営安定 日高では珍しい複合型 - 北海道新聞
id:milkyhorseさまのブクマ経由。先日サンツェッペリン京成杯で中央重賞を初制覇したある牧場の話。

同牧場はアラブ、サラブレッドの軽種馬経営が苦しくなった際、黒毛和牛の導入も検討したが「どうしても馬にこだわりたかった」と、○五年に重種の繁殖牝馬を十五頭導入。重種馬はほとんどが食用になる。同業者から「馬を食肉にするのか」と冷たい言葉を浴びせられても「肉用馬の競りでは、サラブレッドは比較にならないほど安くなってしまう。重種馬なら一定の収入が見込める」と方針は揺るがない。

▼その「冷たい言葉」というのはなんなのよ、と。無定見にサラブレッドにこだわった挙句屋台骨をぐらつかせるほうが、最終的にはよほど生産馬を不幸にするでしょうに。馬を特別に思うことは大切かもしれませんが、馬産家である以前に畜産農家であるという意識の欠如、逆に言えばサラブレッド生産者としてのある種の特権意識の肥大が、結果として馬産地の農協をして借金まみれにせしめたんじゃないか、とか思わないっかなぁ、どうにょろ?(なぜ鶴屋さん?)

サンツェッペリンの母プラントオジジアンは成績が悪く、○三年に園田競馬場兵庫県尼崎市)の調教師が持て余したのを引き取った。「子を産まないまま死ぬのはかわいそう」と種付け料の低い種牡馬を種付け。その子の予想外の活躍に「重賞を勝つとは、と驚いた。プラントの恩返しかな」と話す。

▼2003年度のテンビーの種付け料は50万円(受胎条件)と、確かにリーズナブル。とはいえプラントオジジアンは2004年にはティンバーカントリーを、2005年にはバブルガムフェローをそれぞれ付けられており(バブルの仔は死産)、その2頭の種付け料は当時いずれも150万円(受胎条件)でした。道見牧場の中央に入った他の生産馬の父を見ると、マジックマイルズだのアルカングだの、テンビー以下の値段の近所付き合いとしか思えない名前もあるだけに、これはなかなかの待遇。サンツェッペリンの出来が、産まれてほどなくそれとわかるほど良かったのかもしれませんが、ともあれこういう美談には素直に感心してしまいます。 ( ;∀;)イイハナシダナー