馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

驕らぬ社台に黴は生えない

マル外がいなくなったのに、生産者は貧しい図式 | Nereide Design Blog
▼本筋とはビタイチ関係ないんですが、「南元彦」さんというお名前に記憶野を刺激されて仕方ありません。もしかして20世紀の終わり頃、冬クソ寒く夏ゲロ暑い盆地にある某大学の、鉄人みたいな名前のキャンパスで、馬の嘶きを名に冠したミニコミ競馬新聞を編集しておられませんでしたか? ってこんなとこで聞いてどうする。



閑話休題

シンプルに言うと、「社台グループに極端に富が集中した」のです。

マル外がいなくなったのに、生産者は貧しい図式 | Nereide Design Blog

ということらしいので、早速TARGET先生に聞いてみよう!


<社台系生産馬・年度別中央獲得本賞金一覧(単位:万円)>

年度 中央全体 社台F ノーザンF 白老F 追分F 社台G計
1995年 6314254 10.2% 0.0% 0.0% 0.0% 644331 10.2%
1996年 6438328 9.9% 0.4% 0.0% 0.0% 661749 10.3%
1997年 6560744 8.2% 1.7% 0.6% 0.0% 689538 10.5%
1998年 6663694 5.9% 2.8% 1.1% 0.3% 674501 10.1%
1999年 6635564 4.6% 4.4% 1.0% 0.4% 694244 10.5%
2000年 6746451 6.6% 4.0% 1.3% 0.5% 836372 12.4%
2001年 6787338 6.1% 5.8% 1.5% 0.4% 929876 13.7%
2002年 6770416 6.3% 5.2% 1.2% 0.5% 897496 13.3%
2003年 6808096 6.8% 7.0% 2.2% 0.8% 1139402 16.7%
2004年 6811862 7.5% 9.3% 4.0% 0.9% 1476454 21.7%
2005年 6728109 8.2% 11.5% 3.4% 1.2% 1635780 24.3%
2006年 6802933 9.7% 12.2% 3.1% 1.3% 1785339 26.2%
ノーザンファーム・・・1994年開場(社台ファーム分割により)
白老ファーム・・・1994年開場(社台ファーム分割により)
※社台コーポレーション白老ファーム・・・2004年改称(旧・白老ファーム
※表の「白老F」欄は、白老ファームと社台コーポレーション白老ファーム名義の合算
追分ファーム・・・1996年開場
(以上情報は社台グループ - Wikipediaの記述より)
サンデーサイレンス・・・1994年2歳馬が初年度産駒
<追記>
※表の横幅が長すぎて上手く表示できないので、牧場ごとの獲得本賞金欄を削除しました。



▼日本馬産オワタ\(^o^)/とか言いたくなるぐらい、社台グループへの富の偏向はかくも急激に進んでいたわけで。地方競馬を完全に無視した上でバファリン的に定量分析すれば、日本の牧場のクォーターは社台で出来てるわけですよ!(注:生産頭数自体はグループ全体で多分500頭を越える程度、日本のサラブレッド生産全体の1割にも遠く満たない)
 あと、2003年あたりからノーザンファームが急成長を遂げているのは、南氏いわく“日本の育成技術が急激にレベルアップした”あたりの影響かなとか思ったり。まぁここまで派手だと、技術、というか単純に設備の問題なのかもしれませんが、坂路ウォッチャーの人とかそのへんなにか情報ありませんか(丸投げ)。



▼ただ、調べてみてちょっと不思議だったのは、社台グループ全体の賞金シェアが上昇傾向に転じたのが2000年からであること。2000年というと、サンデーの初年度産駒はもう8歳。それでふと思いついて、こんな表を作ってみました。


<参考:社台グループvsマル外という図式での比較(単位:万円)>

年度 中央全体 社台G計 外国産馬 両者計
1995年 6314254 644331 10.2% 609465 9.7% 1253796 19.9%
1996年 6438328 661749 10.3% 890825 13.8% 1552574 24.1%
1997年 6560744 689538 10.5% 1151581 17.6% 1841119 28.1%
1998年 6663694 674501 10.1% 1221834 18.3% 1896335 28.5%
1999年 6635564 694244 10.5% 1202853 18.1% 1897097 28.6%
2000年 6746451 836372 12.4% 1076610 16.0% 1912982 28.4%
2001年 6787338 929876 13.7% 1033712 15.2% 1963588 28.9%
2002年 6770416 897496 13.3% 928576 13.7% 1826072 27.0%
2003年 6808096 1139402 16.7% 856615 12.6% 1996017 29.3%
2004年 6811862 1476454 21.7% 706374 10.4% 2182828 32.0%
2005年 6728109 1635780 24.3% 589996 8.8% 2225776 33.1%
2006年 6802933 1785339 26.2% 569572 8.4% 2354911 34.6%
▼なるほど、20世紀末の、サンデーが伸ばしたはずの社台のパイを食っていたのは、その頃全盛期を迎えていたマル外勢だったわけですか。ふん、なんのことはない、結局この10年、日本(中央)の競馬ってのはすなわち社台vsマル外のシェア争いだったわけですよ・・・・・・とトリックくさいレトリックを弄してみるテスト。
 ちゅうか、社台+マル外でもう中央全体の1/3なんですねぇ・・・・・・。人によって捉え方は違うでしょうけど、個人的にはかなりうわーとか思いました(子供の感想か)。


▼あと、表によって青が勝ちだったり赤が上だったりとブログ単位での統一性がないのは内緒(えー)。