馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

それでも競馬をやめられそうにないのはボウヤだからか

▼くりげ日記の今回のシリーズ『馬なんかやめようよ』がどうやら完結。出勤前で時間がないのに思わず書いてます。間に合うか!?

馬主のJRAに対する不満は要約すれば2つでしょう。

一つは、馬券を売るためにだけで、ルールを場当たり的に変えてしまうことです。

http://kurige.seesaa.net/article/35587370.html

▼至極ごもっともな話ですが、勝ち上がり制にしろ除外条件にしろ、結果的に上下格差の増大傾向を顕著にするルールだと思いますので、発言力のある人=元々の勝ち組は(負け組よりは)困ってない、というジレンマはあるような気がします。

もう一つは賞金の減額でしょう。
元々JRAと馬主会は売上の6%を賞金にするという合意がなされていました。
しかし、想像以上に売り上げが上がり、その割合で賞金を上げてしまうと世界的にも突出してしまうので、ある時期から上げずにその割合は3%ぐらいまで下がりました。
これは良いのです。
あまり賞金が高くて誰も損をしないような競馬になっては、馬主の世代交代も進まず、馬房が利権化してしまうでしょう。
そしてバブル崩壊後売上は下がりつづけました。
話の筋からすれば、その割合が6%になるまで売上は下がっても賞金は下げるべきではないはずです。
しかし、賞金は下がりつづけました。(今は4%ぐらい)

http://kurige.seesaa.net/article/35587370.html

▼賞金下がってますか。この間社台やマル外の占有率を調べた時は、少なくとも中央の本賞金ベースでは横ばいでしたけど・・・・・・。まぁ、出走奨励金やら各種手当やらで実質下がってるという話かもしれませんが、4兆売ってた頃よりは賞金割合は上がってるんじゃないでしょうか。零細馬主(一口含め)にしたらこれでも全然足りないよという話ですが。

JRAに原資がないのではありません。
しかし、それを持って行ってしまう者がいるのです。
農水省ですね。
JRAは実質農水省に支配されていて、農水省こそが競馬界の最大のクソッタレでしょう。
現在JRAでは売上の10%の3000億円ほどの国庫納付金の他に、500億円ほどの第2国庫納付金を納めています。
これも法律で決まっていて払わずにはいられないのですが、それは余剰金がでたらその50%ということになっているのです。
しかし、実際には余る事を前提に500億の第2国庫納付金は予算化されているとしか思えません。
逆にいえば、売上予想から1000億儲けるような予算しかつけないわけです。
当然賞金も増やせません。
私は何が何でも賞金を6%にしろとは言いませんが、
1000億あれば馬券ファンにマイレージサービス(法改正が必要)できるし、何より次から次へと地方競馬をつぶさないこともできたはずです。
競馬界全体のピラミッドを考えたら、それも必要なことだと思います。

http://kurige.seesaa.net/article/35587370.html

▼引用が長すぎるかもしれませんが、エントリの隅やらブクマコメントやらで呟いてきて、そのうちちゃんと書こうかと思ってたことを簡潔にまとめてくれたので、丸写ししておきます。どうせまた消しちゃうんでしょうし(笑)。えっと、結局地方競馬を救うことができるとすれば、それはJRAではなく農水省なんだよね、という話でしょうか。JRAもNRAも、農水省管轄の「別々の」特殊法人であって、行政的・組織的な立場から見れば全く同列かつ隔絶した存在でしかないわけです、少なくともお互いの中の人たちから見れば。だもんで、仮にJRA内に志のある人がいたとしても、そういう人は上には行けませんし、万が一行けたとしても、JRA内でいくら上に立ってもJRA外のことには何もタッチできないわけです。ですから、地方の窮状を見て「なんとかしろよJRA」というのは、ドコモに対してツーカーをなんとかしろ、というぐらい無茶なわけです。違いますか?(勿論たとえ話としてはものすごく大雑把ですが)
 まぁ、直接主催者であるJRAと、まとめ役でしかないNRAを同列に扱うのもそれはそれでおかしな話かもしれませんが。


JRAの民営化こそ全ての問題を解決してくれるのでしょう。
(中略)
勿論、こんなことは実現するはずがありません。
第一、これほど天下り先として重要な組織を手放すはずがありません。
ただひとつ方法があります。
それはみんなが競馬をやめてしまうのです。
馬も集まらず、売上が激減して、JRAが壊滅的な状態になり、逆にお荷物になったら民営化論は必ず出てきます。
ですから私は、最近人に合う度に、競馬を愛しているなら『馬なんかやめようよ』と言っているのです。
今のところ一人も同調者はいませんけど。(笑)

▼「諸君らが愛してくれた競馬は死んだ! なぜだ?」「結局お上のやることだからさ」ということでしょうか。というわけで、今回のシリーズタイトルに沿う形でキチンとオチがついて終了。現実問題として妥当な論旨かどうかは別として、馬主という立場から見た日本競馬論という観点からは、筋の通ったシリーズだったのではなかったかと。自分が一口なんかやってるからそう思うのかもしれませんが、やっぱりこの人の書くことには一定の訴求力があるように感じます。突っ込みどころも多々ありますけど。
 次にくりげ日記を読めるのは、さていつのことになるでしょうか。プリサイスマシーンがまた勝ったら、すぐアップされたりしないかなぁ。