馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

一連の地方競馬論について、蛇足な補足、あるいは言い訳

ブログエントリーの読み書き論 - 血統の森+はてな

ブログエントリーの究極的な目的が、自分の言いたいことが相手に誤解されることなく伝わることであるとして

▼と、ここまで読んだところで、「どうも頂いたコメントを拝見する限り、一連の岩手競馬存廃問題→地方競馬論議に関して、自分が<一意的な(岩手を含む)『地方競馬』廃止論者>というふうに捉えられている節がある」という点について気になったので、その後を読む前に(えー)言い訳っぽい追記を書いておこうかな、と思い立ちました。



▼えー、僕としては、「(岩手競馬が)なくなるのも仕方ない」と書いた覚えはありますが、「なくなった方がいい」「なくなる他に道はない」とは書いた覚えがなく、そして前者と後者にはかなり深い溝があるはず。「存続論者(の一部)」にツッコミを入れる形のシリーズだったがゆえに招いた誤解だけに徹頭徹尾自業自得なんですが、コメント欄にも書いたように、岩手競馬にしろ地方競馬全体にしろ、今の構造がなんとか上手くリストラクチャされるか、あるいは最終的になくなるにしても「発展的解消」という形を取れればいいな、ぐらいは思っているんです、これでも。ただ、なにぶんその方向性については具体的かつ説得力のあるビジョンってものが思い浮かばないので、まともに言説化しようがない、というのが率直なところ。それを「(消極的)廃止論者である」とラベリングされるのであれば、まぁ認めざるをえないところではありますが、少なくとも積極的ではないよ、と。ていうか「“論者”とか名乗れるほど確かな見識を持ってねーよ!」と(なにその逆ギレ)。よって、誰かが具体的かつ説得力のあるビジョンを提示してくれれば、コロッと態度を変える可能性は高いですよ?(なにその待ちの姿勢)

(競馬の実施に関する事務の委託)
第21条 都道府県又は指定市町村は、政令で定めるところにより、競馬の実施に関する事務を他の都道府県若しくは市町村、日本中央競馬会又は私人に委託することができる。《改正》平16法086

競馬法

▼言わずもがなな部分ではありますが、地方競馬実施の事務面をJRAなり民間(例えばtoroneiさんが推す関口氏あたりにでも)なりに委託することは、平成16年の競馬法改正により法的に可能になっております(運営スタッフが全員フサイチ軍団ってのはさすがにナシなんじゃなかろーかと思いますが)。もちろんあくまで“事務の委託”なので、主体(例えば、民間で言うところの「経営責任」の所在地)が地方自治体にあることは間違いありません。ただ、先の改正によって地方競馬運営にも一定のフレキシビリティが付与されたのは間違いないところで、現在の「地方競馬」という枠組みの中でも“まだまだ改革の手は残っているはず”というのは、コメントいただいたEl Corredorさんのご指摘通りだと思います。あくまで改正競馬法の範囲内で、ということですが。


<参考>
where-i.net

委託業務の範囲は、勝馬投票券の発売並びに払戻金及び返還金の交付を行うこと、競馬場内及び場外設備内の取締りを行うこと、入場料を徴収すること、それらに関する事務に附帯する事務を行うこと・・とされている。

▼これって範囲狭いよなぁ、とか思いつつも、例えば『楽天競馬(http://keiba.rakuten.co.jp/)』なんてのは、(これも言わずもがなですが)先の改正による確かな前進のひとつなわけです。まぁ2,3歩先は崖っぷちなのかもしれませんが。


▼しかし、

委託事業では「競争原理が働かず、費用も高額」との批判が噴出している。

サラブnet

とノモケンコラムで指摘がある通り、岩手競馬で試みられた民間委託は、(意図的か結果的かは不明ですが)更なるコスト増を招く結果となっていたりするのも確かで、結局「競馬に関する事務の民間委託」という切り札の効果は、お役人にそのカードを上手く切れるだけの手腕と度量と競馬への理解があるかどうか、に依拠せざるをえない部分だと思います。
 言い換えれば、「今の枠組みじゃ気の利いたことはなにもできやしねーよ」というのは、「制度的に手枷足枷をはめられてるから物理的になにも“できない”よ」、という意味ではなく(厳密にはそういう意味も含むんでしょうけど、それは中央も大して変わらない気がします)、「手足を動かす頭はお役人のものと規定されているから有機的なことをするのは“難しい”よ」、という意味だったわけです。
 まぁそういった方法論的な部分は通過点で、結局は「地方競馬における“(経営)責任”という概念の構造的な没意義性」という点に収束する論旨ではあったので、そこさえ伝わっていれば了とすべきなのかもしれませんけど。


▼というわけで、「いかに誤解なく伝えるか」という観点から自分のエントリとコメント読み返すと、著しく言葉足らずな上に、これ書いたのは「ペシミスティックでニヒリスティックなファンダメンタリスト」っつうものすごく嫌な奴、という印象を受けて軽くヘコんだので、見苦しく言い訳してみました。
 まぁ建設的な意味で「釣る」ためには、ある程度放言じみた物言いや意識的な行間の広さも必要なのかもしれませんが、自分にはあまり上手にできそうにないです(いや、意図的にやったことはありませんが)。なんつうか、どうでもいい一口ネタや、くだらない馬名ネタを垂れ流している方が性に合ってるような気がしますね。基本的に「けんかはよせ、腹がへるぞ」という人間、もっと短くいえばヘタレなので、ガチな議論とか苦手です、いやホント。だからきりたさんには「ヲチ宣言とか勘弁してください」、あとid:kuroraiさんには「振り返ってみると結局こちらの物言いが舌足らずだったのが悪いわけでこちらこそ申し訳ありません」と投げ返しておきます。生まれてすいません。


▼と、ここまで書いた後で、改めてmomdoたんのエントリの続きをざっと(ざっとかよ)読んだところの感想ですが・・・・・・とにかくこの女子中学生ハッカーの釣り上手っぷりは異常ってことで。トロさまに全然負けてないですよ(注・褒めている)。・・・・・・えっと、「トロ姐さんを『競馬ブログ界』なんてニッチでチープな枠組みの中に押し込めるとは何事だ!」こんな感じでどうでしょうか(何が?)。


<追記>
id記法でリファ投げたあとで、黒船雷電さんが更新されてることに気付きました。内容的なものも含め(そういえば、ウチも仕事が忙しくて・・・・・・)、なんだかシンクロニシティ