馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

気持ち、体制側についてみるテスト

http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20070820-OHT1T00003.htm

東西トレセンは20日、各競馬場では21日に行う予定だ。その結果をもとに23日の出馬登録を行う。ルール上は陽性馬の受け付けも可能だが、陰性馬のみの出馬登録を受け付ける公算が大きい。


美浦では、臨時の地区総会の中で説明が行われた。出席した杉浦宏昭日本調教師会労務担当・関東本部副本部長は「調教師会としては開催に向けて協力する姿勢を伝えており、説明会でも全体の了承を得た。ただ、出走馬確定後、出走馬には改めて検査をしてもらいたい。そうでないと出走はさせられない、とJRA側には伝えた」と話した。


あいまいJRAに調教師もうお手上げ!! - Sponichi Annex

 早期の競馬再開を願う尾形師だが、JRAの対応には疑問を呈した。「陽性馬と発症馬は違う。ウイルスを持った馬でも見た目に元気な馬はたくさんいる。今回の検査で陽性となっても、見た目に問題がなければ木曜(23日)の出馬登録を行ってもいいのか?という問いに対してJRAからは何の返事もない。陽性でも登録可能ということになれば、今回の検査は何のためのものなのか」とあきれ顔で話す。

▼上ふたつの記事は、報知が20日付け、スポニチが21日付け。いずれも強調部は引用者によります。
 ・・・・・・というわけで、上記2記事がある程度事実に即しているとすれば、JRAの説明不足と同様かそれ以上に、尾形師の認識・情報収集(努)力不足もしくは調教師会の横の連絡不足が明らかになったってことでほぼFAではないかと。JRAの対応がBest(あるいはBetter)かどうかは別として、なんでもJRAを叩けばいいってもんじゃないでしょう。30数年ぶりの事態の上に前回とは状況が全く異なり(主にワクチンの効果の面で)、混乱しているということについてはJRAの内部も外部も変わらないはず。


あいまいJRAに調教師もうお手上げ!! : Sponichi Annex - 昨日の風はどんなのだっけ?

JRAのあいまいな対応への不信感が募っていますが、調教師会だけでなく、ファンとか出入り業者、預託料を払っている馬主などにも、そういうムードは伝染していってるだけに、JRAは毅然と一貫した対応を取ってもらいたいです。

▼「あくまで開催を目指して動く」というJRAの「毅然とした」(会見のグダグダさはともかく)初動が、この騒動で一番叩かれたわけですが。もちろん今となっては、ワクチンの効果がどこまで期待できるかというのを探り探りしながら早期開催を模索している段階であり、曖昧な対応に終始せざるを得ないのはむしろ当たり前では。
 というか、上記で指摘した尾形師のコメントの混乱振りからもわかるように、一貫してないのは調教師会も同じ。しかし、そのすぐ下で強硬な早期再開論を唱える和田師の記事を紹介してらっしゃるんですから、その辺のサークル内での混乱あるいは齟齬みたいなものは、感覚的に分かりそうなもんですけどね。


小島茂師がブログで、

JRA、厩舎関係者、マスコミ、全てがサークルの中で共存共栄している間柄である。

先々週(8.4〜5)の結果と続インフルエンザ 小島茂之厩舎の本音(公式ブログ)/ウェブリブログ

と書いてらっしゃいましたが、JRAに主催者としての最終責任があるのは間違いないものの、調教師・厩務員・騎手は、共存共栄どころか開催施行側として一定の責任を負うべき立場なんじゃないかと思います(少なくともその中の調教師に関しては間違いなくそうでしょう)。平時ならいざしらず、こうした有事に調教師がJRAを考えなしに叩くのは、天に唾するに等しい行為ではないかと。
 ちなみに出入り業者や馬主さんにそういうムードがどの程度広がっていってるかは寡聞してあまり把握していませんが(ブログやらmixiやら記事連載やら持ってらっしゃる馬主さんは別として)、ファンかつ一口馬主の自分の私見としては、とにかく「早期再開を」の一言に尽きます。なので、曖昧でもなんでも、そのための努力を惜しんではいない(ように見える)JRAの動きについては、多少のアレな部分には目をつぶって支持するしかないというのが本音です。もちろん出資馬の管理調教師さんにおかれましては、無理のない管理をお願いしたいのも確かですが。


▼あ、あと、

和田調教師は早期開催の主張と、発症していない陽性馬が、陰性の馬と一緒に調教することの安全性を語っていますが

和田師は「陰性の馬と一緒に調教することは安全」とは全然言ってないような。

ワクチンの効果で症状はそれほど重くならない。拡大を恐れる必要はない。1度感染すれば抗体ができて、再び感染することはないのだから

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20070821-244587.html

・・・・・・やっぱり、「安全だ」と主張してらっしゃるようには僕にはとても読めませんが。「ある程度ワクチンの効力を信じて、陰性陽性問わず元気な馬だけで調教と出馬投票を行い、体調不良馬は水際の判断でレースに出さないようにすれば公正確保上は問題ない」という、むしろかなり綱渡りの主張でしょう。
 ちなみに個人的には、和田師の見解に大筋では同意できるものの、見た目の体調が問題なくても陽性馬は出走を認めるべきではないとは思ってます。装鞍所からカンカン場(は馬入れないし・・・・・・)脱鞍所まで、多頭数で緊密な接触があることトレセン馬場の比ではないでしょうし、陽性馬が激しい運動をすることで抵抗力が落ち劇症状態に陥る可能性も否めないと思いますので。もちろん素人の予断ですが。


▼それにしても、今回の各紙の対応を見てると、普段見えない姿勢の差が見えてきますね。井上泰司記者擁するスポニチは完全に反体制派で煽り色の強い記事多し。一方報知はかなり抑え目のトーンで「報道」に終始している感じ。ニッカンはその中間ぐらいでしょうか。サンスポは敢えて(かどうか)新潟記念の記事を今日のトップ扱いにするなどある意味さすがの対応、片山さんが偉いさんとして残ってればまた違ったんでしょうけど・・・・・・。デイリーに至っては、新潟記念とキーンランドCの有力出走予定各馬の馬ごとの記事を、いつもと同じ調子でアップ。ちょっと笑ってしまいました。
 「有事にこそ本質が出る」・・・・・・単なる観客としても、一連の騒動で色々と見えてくるものがあります。