馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

罪と罰を量る金の天秤はない

旭川で3位入線馬失格 シンコウシングラー事件再び: 競馬ブログ オケラセラ

18日、旭川10レース・ふらのにんじん特別で3位入線したハングオンが失格となる事件が起きた。理由はレース前後の検量において、 1.2キロの重量差があったこと。鞍上の三井健一騎手は公正競馬を害したとして10日間の騎乗停止処分が科された。

▼というわけで、あのシンコウシングラー事件を髣髴とさせる失格劇が旭川であったとのこと。騎乗停止 - Wikipediaあたりを見ると、20世紀末はJRAでもかなり頻発してたんですね。

問題は失格となった馬の的中馬券がパーになるばかりでなく、返還も行われないため、何の落ち度もないファンがトバッチリを受けることだ。

こうしたケースは瑕疵のある馬券をレース前から売っていたわけであり、関係者の過失はファンでなく主催者側の管理責任に帰するべきだろう。元返しの廃止も結構だが、ファンの信頼を失うつまらないルールは早く改善したほうが良い。

▼“主催者側の管理責任に帰するべき”というのは、敷衍すると「失格馬に投じられたオカネは返還すべき(当然繰り上がり的中馬券は有効)」ということになるでしょう。確かにファンの立場としてはそれが一番納得がいきます。いくら原因者の量刑を増やしたところで、それが妥当かどうかの判断が衆目一致することはないでしょうし、たとえどれだけ厳罰化したところで真の信頼回復にはつながりません。
 よって、競艇のフライング・出遅れのように、潔く返還とするべきケースだと思うんですが、果たしてそうした動きはJRA内であるんでしょうか。シンコウシングラー事件以降長くこうしたケースが起きておらず、そしてたまたま他主催の競馬で起きた今のようなタイミングこそ、影響力が強いJRAにおいて議論のテーブルに乗せる良い機会ではないかと。二軸構造の解消は遠そうですが、JRAが範となる動きを見せれば、全体もそれに倣う可能性は高いでしょうし。
 とりあえずJRAにメールでもしてみようかと思ってはいますが、まぁなしのつぶてでしょう。中の人がこの辺一体どう把握しているのか、一度直接聞いてみたいところではあり。


▼ちなみに標題がなんのパロディか分かったあなたは多分IT関係です。


<関連>

2 前検量で計量した重量と後検量で計量した重量との差が、1キログラムを超えた場合には、失格とする。ただし、裁決委員が、降雨その他やむを得ない事由により1キログラムを超えたものと認めたときは、この限りでない。

http://jra.jp/company/law/law07.html#chap8