馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

心の中に永遠なる花を - ブルーメンブラット、引退へ

「今秋は休養明け初戦から結果が出ていましたし、非常にいい状態、いい流れの中で、考えられる最高の仕上げで臨みました。そして、G1という大舞台でこれ以上望みようがない素晴らしい競馬で最良の結果を出してくれました。レース前はここを勝てないようであれば、何としても勲章を取らせるために阪神C高松宮記念に向かう気持ちを持っていました。しかし、マイルCSは体調をピークに持って行きましたので、これ以上の状態で更なるパフォーマンスを見せるのは正直酷だと思います。クラブ、牧場とも話し合いましたが、G1馬としてレースに出走するブルーメンブラットを見たい会員の方々もたくさんいらっしゃると思います。しかしながら、G1馬ということで懸かるプレッシャーも大きくなりますし、G1に適鞍がありません。いい母親になるためにも出来るだけいい状態で厩舎から送り出すことが重要だと考えます。大きな勲章を手に入れたこのタイミングで現役を退き、ブルーメンの子供達に新しい夢を託すことは最善の策だという結論に至りました。これだけのパフォーマンスを演じてくれたブルーメンに携われたことに心底感謝していますし、母親としてのブルーメンブラットにも期待しています。本当にありがとうございます」(石坂師)クラブ、厩舎、牧場間で協議を行った結果、現役を引退し、近日中に中央競馬登録を抹消し繁殖入りすることになりました。これまで多くのご声援を頂き、ありがとうございます。なお本馬に出資されている会員の方へは追ってお手紙をもちましてご連絡させていただきます。
(一部機種依存文字を引用者が修正済み)

キャロットクラブ公式サイト(会員ページ)より

▼一部マスコミの既報通り、ブルーメンブラットの現役引退が決定しました。本当に満開中の満開、というこのタイミングで潔く散りゆけることは、おそらく彼女にとってもすごく幸せなことなのではないかと思っています。願わくばできるだけ多くのファンの心の中に、これ以上ないほど美しく咲き誇った彼女の姿が、桜の散り際のような切なさと共にいつまでもいつまでも残ってくれれば……と。


マイルCSのレース後、『風を集めて空に放つ』というタイトルでエントリを上げたのは、99%は泥酔した勢いでしたが、1%は、今回のタイトルのエントリを近いうちに上げることになるだろう、という予感があったからです(一応念のため、Mr.Children『花』の歌詞からの引用)。
 ファンドという形態を取る以上、この決断には賛否両論あるでしょう。しかし、個人的な感覚で語るなら、これ以上ないほどの過程を経て最高の舞台にのぼり非の打ちどころのない結果を出した後で、一体この上なにを求めるのだろう、という気がします。
 これが大きなリスクを取って香港マイルドバイデューティフリーを狙う、あるいは規約を枉げてヴィクトリアマイル安田記念古馬マイルG1トリプルを狙う、というのであればまだ分かります。しかし、阪神カップ高松宮記念だというのは、あまり心ときめきません。特に阪神カップは、前身の牝馬限定戦時代はまだしも、香港の裏かつマイルCSの後という設定でなぜか準G1扱いの賞金設定をされている現在は、レースの意義自体が全く見出せないという代物ですので、なおさらです。
 牧場系クラブの牝馬に出資した時点で、ある程度「思うままにならない」のは想定していたこと。そしてなにより、あの「引退レース」の感動に立ち会えたことが、こういう感覚を生み出しているんだろうなぁとは思いますので、同意を求める気はありません。ただ、今の自分の気持ちを書いておこうと思っただけですので、その辺悪しからず。もちろん異論反論あれば投げていただいて構いませんが。
 とまれ、心の中に、永遠に枯れないであろう花を咲かせてくれたブルーメンブラットには、感謝の一言です。

道無きぞ この旅だけど
でも こんなに上手に歩いてる

花咲く旅路 原由子 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索

▼「Doo-dah!doo-dah!」という競馬イラストサイトを運営しておられるid:maipoさんが、「何となくブルーメンブラットの今までを思わせる」と書かれていた曲の歌詞です。
 道なき旅を上手に歩ききった彼女を、そして旅の終わりをここに定めた師の(「牧場の」だろ……という野暮はなしの方向で)決断を、できるだけ多くの人と共に言祝げれば良いなと、素直に思います。


▼あ、でもクラブの人には、ブルーメンの仔をできるだけ良心的な価格で確保できるよう、最大限の努力を払っていただきたい……ということだけはお願いしておこうかな。それぐらいのエゴは許してもらいたいところ。