馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

2009年度JRA競馬施行規程の変更について

▼標題の件、社台の会員ページにアップされていたものを以下に引用してみます。

1.3(4)歳以上1000万下競走の出走馬決定方法の変更について
現在の3(4)歳以上500万下競走と同様の出走馬決定方法となりました。ただし、成績優先馬については、「4節以内の前走3着以内馬」となっています。この前走3着以内は、2008年の5回中山・阪神1週目以降の成績が対象となります。

▼例えば、5回阪神1節目の1000万下で2着だったリーガルスキームは、年明けの1回中山・京都1節目の同条件に優先出走権が発生します。実力上位馬のレース選択が楽になって、勝ち上がるべき馬が勝ち上がりやすくなるわけで、この適用範囲拡大はいい傾向なのではないかと思います。

2.地方から再登録する場合について
地方競馬に転籍した馬が、中央競馬に再登録する場合の要件が、地方競馬において「5回以上出走し1勝以上または2勝以上」から「2勝以上」に変更となりました。これは2009年1月1日以降の抹消馬に適用となります。

▼上級条件馬・戦の増加に伴い下級条件戦の数にしわ寄せがきてただでさえイモ洗いなのが、出戻り馬の濫造によってさらに混雑する……という状況はとても歓迎できないですから、これも改善と言えそう。経験上、地方でポンポンと勝てない馬は中央500万下では厳しいことが多いですし。

3.牝馬所有奨励賞が増額されます
2008年度より内国産牝馬新馬競走に優勝した場合に交付されている「牝馬所有奨励賞」の交付基準が、2009年度から変更となります。内国産牝馬が2歳新馬戦に優勝した場合は60万円に増額されるほか、3歳新馬戦、2歳未勝利戦に対しても新たに30万円が支給されることになりました(それぞれ牝馬限定競走の場合は除く)。

▼そんなのあったっけ、と思ってレディルージュ新馬戦時の明細を見たら、確かに内国産馬しか出てないのに300,000円の内国産馬所有奨励賞が加算されていました。
 で、試しに先週までの2歳新馬・未勝利戦(全性)の結果を調べてみると、373鞍中丁度100鞍を牝馬が制しています。これに3歳新馬戦を加わるということで、3歳春までの牝馬に対して少なくとも本年度に比べて3,000万円以上の手当が増額される(期待値)、と。これもまた良いこと。

4.事故見舞金が減額されます
JRAから支給される競走馬事故見舞金の1号から15号までの金額が一部減額となりました。下記をご参照ください(カッコ内は従来の金額)。
1号規程560万円(590万円) -30万円
2号規程550万円(575万円) -25万円
3号規程470万円(500万円) -30万円
4号規程460万円(485万円) -25万円
5号規程335万円(360万円) -25万円
6号規程325万円(355万円) -30万円
7号規程295万円(320万円) -25万円
8号規程285万円(315万円) -30万円
9号規程245万円(270万円) -25万円
10号規程235万円(265万円) -30万円
11号規程185万円(205万円) -20万円
12号規程175万円(200万円) -25万円
13号規程545万円(560万円) -15万円
14号規程460万円(475万円) -15万円
15号規程545万円(560万円) -15万円

▼差額は引用者が付記したもの。各号の内訳はこちらを参照のこと。うーん、毎年どれぐらいの数の馬が支給対象になっているのかは正直分かりませんが、仮に500頭いたとすればトータル1億円前後の減額ということになるでしょうか。まぁ「焼け太り」のケースがなかったとは言えませんし、優勝劣敗の運営原則からしても、この方向を削るのは自然な流れなのかもしれません。ただ、人間社会の言葉で言う「セーフティネット」にあたる部分が薄くなることによって、腰が引けてくる馬主も多いのではないかとは思います。
 とまれ、牝馬への手当増額の原資は、この改定によって捻出できてさらにお釣りがきそう。


▼以上、主に個人的備忘録として。