出資の秋、散財の秋（ロード編）
▼キャロットで６頭、ウインでも決して安くない馬に２頭（うち１頭はおそらく抽選のため未確定）申し込んで、既に財政状況的には青息吐息なわけですが、そこにとどめとばかりに送られてきたロードのパンフがまたクリーンヒット。僕が知るクラブの中では、出資馬の質と価格、あるいは運営上のホスピタリティという点で、世間的な評価では決して上位に来るクラブではないんですが、相性というやつなのか、個人的にはツボと突かれる募集馬がたくさんいて、現場レベルでの対応も親切で、出資馬の結果もそれなりに出ているのが不思議。今年の募集でも、なんだかんだでたくさん出資してしまいそうな雰囲気で、今から資金繰りに頭が痛いです。で、そのへんの状況を整理するためにも、募集馬の寸評をざっと。
【参考】ロードＴＯ公式サイト：2005年度募集馬ラインナップ
＜2005年産当歳募集馬＞
●（外）レディパステル'05（父Rock of Gibraltar） 牡 8400万＋輸入諸経費 田中清
オークス馬の初仔はなんとあの”The Rock”の産駒。それだけでも十分魅力的なのに、トニービン×Blushing Groomという、母系に入って物凄く良さそうな血統。ベガもエアグルーヴも、繁殖牝馬として大成功していますが、母の現役時代のポテンシャルといい血統構成といい、その２頭にパステルがおさおさ劣るとは思えません。当歳馬の馬見についてノウハウがほぼ皆無なので、馬自身の出来云々ははっきり言えませんが、素人目で見る限りそう悪くはなさそう。サンデー亡き今、実質１億を切る募集価格でこれだけの馬に手が出せるチャンスはそうそうなく、選択の余地はない、というのが個人的な判断です。最大の不安要素は、最近すっかり精彩を欠いている田中清隆厩舎ですが、そこは目をつぶることにします。年に１頭ぐらいは、夢だけで出資する馬がいてもいいでしょう。2005年産馬では、これがその１頭です。
☆出資確率・・・99％。先行で行きます。ただし分割で（苦笑）。
●レディバラード'05（父シンボリクリスエス） 牡 5250万 山内
母は交流重賞を２勝。３代母に超名牝Balladeがいる一級の母系で、そこにHalo、Unbridledと掛けられた質の高い構成は、繁殖としての成功も約束されているように思います。ひとつ上の半姉（父フレンチデピュティ）の方が配合は好感が持てますが、牡馬であること、そして父の現役時代の活躍を考慮すれば、夢があるのはこちらでしょうか。クリスエス産駒の傾向が見えないので飛びつきにくいのは確かですが、どちらかというとクリスエスが雑草系の血統だけに、ミスプロ系×ヘイローというファッショナブルな血とのマッチングは悪くない気がします。Hail to Reasonのクロスも、4*4なら大きな影響は無いでしょう。
☆出資確率・・・90％。この母の産駒は、おそらくずっと追いかけることになると思います。
●（父）レディミューズ'05（父アグネスタキオン） 牡 3885万 池江郎
母は３勝、チューリップ賞２着、オークス４着など牝馬クラシック戦線で上位の活躍。母の母にシンコウラブリイがいます。父タキオンも併せ、血統的な魅力はもちろん大きいですが、それ以上に特筆すべきはその馬体。当歳離れした迫力に、素人目で見ても圧倒されます。前脚のつなぎが異様に長くて柔らかいのはちょっと判断に苦しみますが、能力的なポテンシャルの高い馬なのは間違いなさそう。池江先生が直接見て「是非預からせて欲しい」ということだったらしいので、それを信頼してみようかと思っています。
☆出資確率・・・95％。資金繰りが付き次第申し込みます。
●（持込）サッカーマム'05（父Swain） 牡 2835万 安田隆
Nashwan→Swainのラインは日本ではイマイチだからなぁ・・・・・・と思っていたんですが、馬体写真を見て印象が一変。バランスの良さ、皮膚の色艶、後躯の充実度、面構えと、高いレベルで走る要素が揃った良駒に見えました。ハマれば大きそうなスケール感のある配合だけに、ちょっと気にしておきたいと思います。
☆出資確率・・・75％。他の馬との兼ね合いでとりあえずは様子を見ますが、前向きに検討。
＜2004年産当歳募集馬（継続募集）＞
●レディバラード'04（父フレンチデピュティ） 牝 4200万 山内
正直言って、フレンチ牝馬に4000万円はちょっとお高い印象。でも、それを差し引いて余りあるぐらい馬の出来も配合も素晴らしいです。母に似て気性面でうるさいところがあるらしいのと、フレンチ産駒には宿命的な前脚のつなぎという不安要素はありますが、それ以上の魅力を感じます。
☆出資確率・・・95％。もう少し様子を見たいので、それまで満口にならないことを祈ります。
●（持込）ヴァージニー'04（父Giant's Causeway） 牝 3990万円 池江郎
日本でのＧＣＷの初年度産駒は壊滅状態で、唯一期待をもてる走りをしていたモアザンベストも準ＯＰの壁にまともにぶち当たっています。海外ではかなり活躍馬を出してきているので、この父系の特徴（最早呪いに近いかも）としか言いようがない惨状です。そういう意味で、この値段の牝駒ではちょっと手が出しづらいというのが素直なところですが、馬の出来がいいのもまた確か。池江先生も、この馬に関しては当歳時からベタ惚れで、今も見るたびに「いいねぇ」を連発しているとのことです。Storm Cat系とRibot系のニックスは有名で、ブラジル在来のボトムラインも併せ、父系の悪い意味での軽さを補ってくれるのではという期待感もある配合。前が勝った馬体でダートかなという印象がありますが、その辺を気にしなければ。
☆出資確率・・・80％。当歳時に感じたインパクトほどの成長がない気がしますが、様子を見つつ。
●レディミューズ'04（父ブライアンズタイム） 牝 2940万 坂口大
当歳募集された昨年のパンフではノーマークだったんですが、今年のパンフ写真を見て候補に挙げることにしました。ブライアンズタイムらしい重量感を持ちつつ、鈍重な印象もさほど無いのが好感。関西馬ですし、かなり惹かれるものを感じています。
☆出資確率・・・70％。あー、どんどん候補が増えていく・・・・・・。
＜2004年産１歳募集馬＞
●（市）オウリエット'04（父Point Given） 牝 4725万 森
とにかく高い！ セレクトで3000万円台でしたから仕方ないんですが、同じ世代のキャロットのPoint Given産駒（同じく持込牝駒）が1800万円。血統背景や馬の出来、入厩先などを比較すると、総合的にはこちらが少し上かなという気がしますが、コストパフォーマンスを考えに含めるとちょっと勝負になりません。
☆出資確率・・・30％。”電車女”というパンフの煽り文句には惹かれますが、予算的にちょっと厳しいかも。
●レディチャーム'04（父クロフネ） 牡 2625万 久保田
バランスの取れた好馬体。芦毛にも関わらずこれだけ立派に見せていれば上々でしょう。母は１戦１勝、新馬戦では後にオープンまで行くハッピーマキシマムを逃げて完封。その素質をしっかり伝えていれば、期待できるのではないでしょうか。昨年16勝、今年は既に20勝越えと若手から頭角を現した感のある久保田厩舎というのも強調材料。クロフネの初年度産駒の動向を見ながら、前向きに検討したい１頭です。
☆出資確率・・・50％。結構気になります。
●（市）コジンクス'04（父チーフベアハート） 牡 2310万 岡田
母系は総じて地味。母は活躍馬ですが、既に高齢ですし、海外のCrafty Prospector産駒の典型という感じで、たくさんステークスは勝つけど大レースには手が届かなかった馬です（Crafty産駒で重賞馬を連発した日本が異常）。ただ、馬体的にはバランスも肉付きも脚元の健康度もなかなかのもので、決して買えない馬ではありません。個人的には厩舎が微妙（漫然と使い倒すだけという印象しかない）なので慎重姿勢ですが、悪くはないと思います。
☆出資確率・・・30％。厩舎への懸念が払拭できればもう少し上がると思います。
●（市）アンブローシア'04（父メイショウドトウ） 牡 2100万 北出
エアチャリオットの下。全体的に仔出しのいい母で、丸外れは少ない血統。この馬もよくまとまった馬体をしていると思います。ただ、その分インパクトには欠ける印象。母は既に高齢で、Northern Dancerの同系配合ということもあり体質的な懸念もあります。厩舎も未知数で、価格面も含めちょっと不安要素の多い募集馬という判断。
☆出資確率・・・15％。父がどんな産駒を出すのかは注目していますが・・・・・・。
●（父）マックスドゥイット'04（父サクラバクシンオー） 牡 1890万 藤岡健
重戦車か豆タンクか、寸法が分からないのでどちらとも言えませんが、とにかくド迫力の馬体。典型的なスピードタイプで、配合も含め、これだけ方向性が明確な馬も珍しいです。面構えも良く、無条件で飛びつきたいところですが、不安点は脚元。繋ぎが寝すぎの印象があるのと、四白で蹄に脆さがあるのではという点が気になります。その辺のリスクを自分の中で納得できれば、素直に出資に向かうと思いますが・・・・・・。
☆出資確率・・・80％。育成が順調に進むようなら問題なく出資します。
●エンドイットダーリン'04（父カリズマティック） 牡 1575万円 安田隆
日本でのCharismatic産駒は未だ中央芝で未勝利。Storm Cat系、母父Alydarということも併せて考えれば、ダート中長距離の条件馬というのはほぼ既定路線と言い切ってしまってもいいのではないかと思います。ただ、馬体はバランス・肉付き・健康度いずれも良好という印象。安価かつ方向性がはっきりしている上に、その方向性に厩舎の傾向も合致（近年ダートでの勝ち鞍が芝の倍近く）していることもあり、「お買い得」な馬である可能性もあるかもしれません。
☆出資確率・・・65％。来年まで様子を見て、この年度の出資予算枠に空きがあるようなら。
●レイホーロード'04（父タニノギムレット） 牡 1575万 伊藤正
シラオキに連なる母系ですが、この母に至る枝はどちらかというと地味。この馬自身の印象もまた目立ったものがあるわけではありませんが、決して悪い馬ではなく、在来母系を礎にして父系のタフネスがきちんと伝わっていれば、ハードトレで鳴る伊藤正徳厩舎で素質を開花させる可能性もあるかも。
☆出資確率・・・50％。エンドイットダーリンの仔と同様。
●（市）レガシーウェーブ'04（父デヒア） 牡 1575万 藤岡健
これはお買い得かもしれません。伸びがあって雄大な、かつ前後の均整の取れたシルエットに、充実感のあるトモ。掛けてこられた種牡馬は地味ながら、おじにレガシーワールドがいる母系も悪くありません。Deputy Minister系には総じて浅薄・淡白な印象があり、これぐらいどっしりした母系の方が配合相手としてはマッチしているのではという気もします。また、この馬とマックスドゥイットの仔は、募集予定馬を見に来た藤岡師がひょいひょいと一本釣りしていったそうで、気鋭の若手の目に第一印象で留まる何かがあったことが想像されます。いいんじゃないでしょうか。
☆出資確率・・・90％。当歳募集組以外の第一志望はこの馬で行きます。
●レディフューチャー'04（父アフリート） 牡 1575万 後藤由
丈夫そうな馬体。回転が利いた走りをしそうで、父のイメージどおりダートの短めのところという把握でよさそうです。問題は、そのイメージが厩舎のカラーと合わなさそうな点。芝志向が強く、またあまり使い込まないタイプの先生だけに、この馬の良さをちゃんと引き出せるかどうか不安は残ります。
☆出資確率・・・30％。コジンクスと同様、厩舎が不安要素。
●ダービーズドーター'04（父ボストンハーバー） 牡 1470万 藤原英
父の日本産の産駒は出足好調。ただ、スケール感の小ささは否めないところです。この母のクラブで募集された産駒は、１勝は挙げるものの500万下で苦戦するというパターンが続いており、この馬についてもそこを突破するだけのインパクトは感じられないという印象。成長次第ではありますが・・・・・・。
☆出資確率・・・20％。兄（ロードウイング）を確実に越えるという確信は持てず。
●（父）レディダイヤモンド'04（父ジャングルポケット） 牡 1470万 田中清
父の産駒の写真を見ていると、充実したトモの肉付きに目を奪われることが多く、この馬もそんな傾向に沿った馬体をしています。ただ、本馬に関しては前躯が不恰好で、前後がかなりアンバランス。このへんが解消してこないと個人的には食指が動きません。
☆出資確率・・・10％。
●レディスターダム'04（父ディアブロ） 牡 840万 田村
父は、基本線は地方種牡馬という感じですが、中央でもマイネサマンサ・マキハタサーメット・エースインザレースと重賞級の馬をポツポツ出しており、アベレージが高いタイプではないものの、面白みはあります。ただ、それに加えて母父アルカングと言われてしまうと、血統的には二の足を踏みたくなるところ。馬体も悪くは無いものの強調点には欠け、正直値段なりかな・・・・・・という印象です。
☆出資確率・・・10％。
●（父）（市）マルムティファニー'04（父ブラックタキシード） 牡 630万 高橋祥
レア（色）モノその１。近親にタケノコマヨシ・サンデーセイラ。だからなんやねんという話。とりあえず１頭出資馬を増やしたい人、父に思い入れのあるような人向けでは。
☆出資確率・・・5％。
●（市）プライヴェイトスリッパー'04（父エアスマップ） 牡 525万 菊川
レア（色）モノその２。ただし、こちらはもしかしたら出物かもしれません。細かい説明は敢えて避けますが、とにかく多分出資します。
☆出資確率・・・95％。１口１万円ぐらいなら、いくらキャロットとウインの支払いで青くなっている僕でも一括で払えるぞ！（自慢にならない）
▼えーっと、そんな感じです。完全に常連向けというか、馬名ネタ方面のお客さんは完全に置いてけぼりなエントリですいません。馬名ネタは、出資狂想曲が一段落する来月あたりからまたボチボチやろうかと思ってます。
