馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

お祭り済んで日が暮れて

有馬記念は、裏の六甲アイランドS(阪神11R)・ファイナルS(阪神12R)・尾張特別(中京12R)にそれぞれ出資馬の出走があって、そのパドックやらレースやらのチェックに忙しく、阪神のターフビジョンで「レースのみをちらっと見ただけ」程度でした。ディープの敗戦に、多くの観客、特に仮装してきていたような浮かれたにわかファンやクリスマス気分の人々の落胆は確かに伝わってきましたが、しかしそれは大して深刻なものとは感じられず、所謂ディープフィーバーはこれであっさりと解熱するのではと思われました。


▼また、次の目標が春の天皇賞という地に足のついた予定発表がなされたことも、その流れに勢いをつけたように感じます(まぁ、本当のにわかファンはそこまでチェックしていないでしょうけど)。これは個人的かつ感覚的には大賛成の路線で、理由を分析すれば、「地元でディープがまた走ってくれる」というようなレベルの要素もありますが、「盾を持たない古牡馬チャンピオンなんて・・・・・・」という池江郎師らしい古き良き価値観に対する共感と好感という面が多分にあるようで。意味のない仮定ですが、これが多くの「気鋭の若手」あるいは先般とうとうJRAリーディング記録が途切れた藤澤厩舎であれば、「無敗の三冠はなかったかも」「いや、三冠すらなかったかも(菊のスキップ)」「ジャパンカップに出ていたかも」「そうなればその結果がどうあれ、有馬はスキップあるいは完敗していたかも」「古馬シーズン最初の春はドバイだったかも」「そしてそのまま欧州シリーズへの長期遠征か、ぶっつけ宝塚→海外という路線だったかも」というたくさんのifが思い浮かび、それらは単なる想像とはいえ、心底僕の気分を萎えさせることばかりで、本当にディープが池江郎厩舎の馬で良かった、と素直に思えるのです。


▼そんなことを、オンファイアが屈腱炎発症というニュースを見ながら、つらつらと考えるのでした。敢えて書くのもどうかと思いますがそれでも書いておくと、シンコウラブリイにしろサイレントハピネスにしろスティンガーにしろバブルガムフェローにしろロードアックスにしろマチカネアカツキにしろキングストレイルにしろこのオンファイアにしろ、使える状態の馬に関しては2歳戦から連闘・中1〜2週を多用したタイトなローテを組む(そして使えないと思った馬については3歳春以降まで完全放置)方針を一貫して変えない藤澤厩舎のどこが馬優先主義なのか、個人的には以前から全く理解できません。結果論的な語りになりますが、それで3歳春シーズンを棒に振ったり、その後の競走馬経歴に影を落とした馬がいかに多いことか。全くレベルは違えど、同じ一口馬主の端くれとして、オンファイア号の出資者の皆様には衷心よりご同情申し上げます。それにしても、なぜこの時期の発表になったんでしょう。まあ、想像すればすぐに理由には思い当たるものがありますが、憶測で物を書くのはできるだけやめておきます。