馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

今年の皮算用。

▼個人(といっても共有が多いようですが)馬主の”くりげ君”こと池谷誠一氏のブログ『くりげ日記』に、元旦付けで新たなエントリの投稿がありました。基本的には個人馬主としての立ち位置からの分析・提言なのですが、一口クラブのありようや一口馬主としての視点からの言及もしばしばあり、いずれにしても、僕のようなしがない一口者にも非常に有意義かつ興味深く読める語りで、久々の更新は嬉しい限りです。


▼今年の夏季からのクラス分け方法の変更により、「同条件を複数回勝って稼ぐ」という手口が非常に難しくなります。これまでなら、叩き上げの馬であれば1000万下を卒業するまでに普通にやっても5勝はできたため、準オープンで頭打ちになっても1億程度は稼げる可能性が高かったんですが、今後はそういうケースはレアになっていくと思われます。そのため、なんとか馬主行為でプラスを出そうと思って方向性を定めるのであれば、もう「金に糸目をつけず投資し重賞級の馬を引いてくる」という極端な戦略を選択するしかないと言っても過言ではありません。森師が『最強の競馬論』で述べたように、高馬にも安馬にも、平等に年間数百万のランニングコストが掛かる以上、今回の「勝ち組」と「負け組」の格差をさらに広げる改革は、一般の馬主にとっては資金力の差がものを言う傾向を更に助長する厳しいものだと言えます。


▼しかし、こと一口(牧場系クラブ)の場合、いみじくもシーザリオの募集価格が1400万円だったように、セリという市場原理に直接左右されない以上、「良い馬だが安価」という馬をピンポイントでチョイスしていくことは、相馬眼さえあればさほど難しいことではありません。もっとも、その相馬眼の養成が最大の難問ではあるんですが・・・・・・。とりあえず、バイヤー系のクラブにとっては、今後も受難の時代が漸増的に続くのではという気がします。


▼などと色々書いてはいますが、ことポイントを「今年の目標」と置く場合、既にそれを左右する馬の仕入れはほぼ終わっているわけで、現段階でなにかできることというのはさほどありません(せいぜい明け2歳馬に良い名前を考えてあげるぐらいでしょう)。となると、「目標」という言葉を使うのも何か恣意的な行為によって数字を左右できるようなニュアンスが感じられるため、あまり適当とは思えません。せいぜい「希望的観測」あるいは「皮算用」あたりが関の山ではないでしょうか。そんなわけで、以下が今年の一口的皮算用

  • 250戦
  • 25勝
  • 獲得賞金50000万円
  • 重賞勝ち


こんな感じで。とりあえず前提として、年明け時点での2歳馬以上の現役出資馬が55頭で、今後追加出資や再ファンド前提で地方転出中の馬の復帰を考慮に入れても最大60頭程度。となると、単純に考えて、20馬房持ちの厩舎の成績を目安に数字を出すのが妥当*1でしょう。
 で、まず出走数については、大体制限頭数一杯近く預かっていてなおかつリーディング上位の厩舎(森・和田・藤澤和・戸田・国枝・小島太など)はほぼ年間中央300戦をクリアしているので、理想を言えばそれぐらいの出走数は欲しいところ。ただ、クラブ馬というのは全体的に言えばまだ有力個人馬主より馬房確保的に後回しにされやすい傾向にあるので、その分を差し引いて概ね250戦ぐらいをメドに。
 次に勝利数については、勝率1割、かつ大体200ちょっとある厩舎のうち25勝をクリアできるのもおよそ1割ということを考慮し、そこに入ることを目標に。
 獲得賞金に関しても、厩舎全体の1割に入りたいところですが、これまでの出資馬の実績から、大体1走当たり200万円あたりと考えるのが現実的な線なので、これを目標出走数に掛けてこれぐらいで。ちなみに、このラインで大体出資馬の維持費+クラブ(4つ)の会費というランニングコストが概ね賄えるかなという感じです。なので、出資代金を取り返そうと思うと、これでは全然不足。
 最後に、一昨年は去年の目標としてまだ達成していなかった「特別勝ち」を掲げたら、1週目のジュニアカップでいきなりクリアしてしまった教訓を生かし、割と厳しい目のものを。現状オープン馬1頭に準オープン馬1頭という態勢では、重賞勝ちというのはなかなかイメージしづらいものがあるんですが、その2頭のどちらか、あるいは現在1000万下の某馬でなんとかならないものかと秘かに狙っていたりします。確率論的に言えば、重賞を勝てる馬というのは大体中央入りする馬100頭に1頭というところだと思うので、出資頭数とその平均単価を考えれば、そろそろ順番が来てもいい頃、という計算もなくもなし。ただ、基本的に引きの弱さにはかなりの自負があるので、自信の有る無しで言えば完全に無いサイドですが。


▼まぁ数字云々よりも、結局はどれだけ気分的に楽しめるかということの方が重要なわけですが、ストレスや家計への負担の多寡は趣味の続行性に関わってくる話なので、ある程度コスト意識は持とうねという自戒を込めて。ちなみに単年単位ではないスパンの目標としては、ここからあと5年ほどかけて、一口人生トータルのランニングコストをトントンにまで持っていくこと。2005年度単年で計算すると概ね帳尻が合いそうな感じなんですが、累計で行くと・・・・・・うわ、計算したくねえ。やっぱり年間5億じゃ足りないかなぁ。

*1:というか、2年ほど前から、最終的には大体出資馬がそれぐらいの頭数で安定するようなペースでと考え、世代20頭弱ぐらいを目安に出資しているんですが。