馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

日曜の結果。

http://keiba.radionikkei.jp/news/20060521K21.html
▼改めて、客観的な目でオークス回顧。

過去の傾向を見ると、距離のせいなのか、馬体重の軽い馬の優位が顕著。

戦前の予想エントリで記述したんですが、今年はなんと、メンバー中5頭しかいなかった480キロ超の馬のうち3頭で決まるという切ない結果。しかも勝った川上姫は、オークス馬史上2番目のグラマーというオマケ付き。なんでこんなことになったのかと考えるに、そのまま、そのままっ!!さんのオークス回顧での分析にある、「今年のオークスは、例年とは明らかに異質な競馬」、具体的には「「キレ」よりも「スタミナ」や「底力」が要求される厳しいレースになった」というのが大きな要因だったのではと。実際にレースラップを見ると、
<12.5-10.9-11.3-11.6-11.8-12.4-12.8-13.5-13.2-11.6-12.2-12.4>
で、前半1000mが58.1秒、後半1000mが62.9秒の後傾前傾ラップ。あれだけ飛ばしたヤマニンのラップを拾っても仕方ないんですが、それでもラストの時計の掛かり方を見ると、厳しい流れだったのは確かです。事実、近10年のオークスのうち良馬場で行われた7回を見ると、エアグルーヴを除く6頭の勝ち馬は全てメンバー中最速の上がりを繰り出しての差し切り勝ちで、その上がり3ハロンタイムは全て34.7秒以下。一方今年のカワカミプリンセスは35.5秒で、メンバー中5位タイです。サクラシンゲキ産駒のトーワルビーが玉砕的なラップを踏んだ(それでも今年のヤマニンファビュルほどではありませんが)1990年にエイシンサニーがマークしたレースレコードにコンマ1秒まで迫った今年は、本質的にスタミナと底力を要求される、まさに近年稀に見る異質なオークスだったと言えるでしょう。と、これを踏まえて。



http://keiba.radionikkei.jp/news/20060521K20.html

1着 カワカミプリンセス(本田騎手)
「(前半略)直線早めに追い出したが、追えば追うだけ伸びるタイプなので心配していませんでした。5年前に負けたテイエムオーシャンの経験も生きました。秋には一皮むけてさらに強くなってほしいですね」

テイエムオーシャンの時は、距離不安もあったのかそれまでより後ろ目のポジションに位置し、平均ペースで淡々と逃げたアデレードシチーを可愛がった結果、レディパステルローズバドという末脚自慢にズバッと行かれてしまったので、今度は敢えて地力勝負に持っていったってことでしょうか。ベテランならではの素晴らしい判断力。


2着 フサイチパンドラ(福永騎手)
「折り合いもついたし、うまく外に出せたし、うまいこといったんだけど……。(中略)これでも引き上げる時にケロッとしていたし、まだ能力を出し切っていないのかな?」

▼角田擁護ってわけでもないですが、あのパンドラがいきなりあっさり折り合いが付いた、というのは、鞍上の手腕以外の要素、要するにペースの助けが(それが全てとは言わないまでも)あったと考えるのが自然では。しかし、こんな展開でまだ余力が残っているというのはちょっと信じがたいですが。もしまだパンドラの箱は開いていない、としたら・・・・・・ガクブルものです。


3着 アサヒライジング(柴田善騎手)
「よく頑張ったよ。でも、あんなに早くは先頭に立ちたくなかったな。(後略)」

▼結果的に早目に先頭に立ってしまう形になったことで、ロイヤルタッチ×ミナガワマンナ×ボンモーというこの馬の内包するスタミナを存分に発揮できたのではというのが、外部から素人が結果論的に見た上での分析。仮にもっと緩い流れで大先生いつものサラリーマン騎乗なら、着順は落ちこそすれ上がりはしなかったのでは、と。


4着 アドマイヤキッス武豊騎手)
「道中はジッとしていい感じだったし、前に取り付いたときは『おっ』と思ったんだけど、そこから離されてしまった。思ったより伸びなかったね。距離が長いのかもしれない」

▼母父ジェイドってことで戦前から距離不安は可能性としてあったわけですが、それでもここまで詰めたわけですから能力は上位。例年通りの切れ味勝負なら突き抜けていたかも。


5着 ニシノフジムスメ(藤田騎手)
「ゲートのタイミングが合わなかった。逃げていた馬以外はスローペースだったし、ゲートさえ出たらもっと前につけたかった。(後略)」

▼ヤマニンから道中3秒離れていたとしても、そこが大体例年の平均ペース。スローは言い過ぎでしょう。母父ビショップボブ。血統が全てではないとしても、自力勝負に行っていたらバテていたかも。ゲートで遅れたのがむしろ奏功したのではという気もします。

6着 キストゥヘヴン(安藤騎手)
「折り合いはついていたし、淡々とした流れ。(中略)ジリジリとしか伸びず、弾ける感じがなかった。(後略)」

▼Cコース使用で内外の有利不利はなくなったかと思いきや、当日一日府中で打っていた実感としても、やっぱり内が伸びる(というより外が伸びない)馬場。GCの番組での藤田騎手の分析によると、「踏み固められていた内目に対し、あまり馬が通っていなかった外目は芝が長いままで脚が取られる」のが、外が伸びない原因かも、ということでした。軽量のこの馬にとっては、コース取りの差が堪えたのでは、という印象。それでも全体で2番目タイの上がりを使っているのだから立派。

9着 ブルーメンブラット(川島騎手)
「故障馬の真後ろでモロにあおりを食らってしまった。それで9着だからもったいないね。まともならもっと走れたよ」

▼あれだけの不利を受けて位置取りも悪くしながら、直線は大外に持ち出してキストゥヘヴンと同じタイムで上がってきたんですから、能力的には完全に上位。改めて、不利がなければと悔やまれます。秋の巻き返しに期待。



http://keiba.radionikkei.jp/news/20060521K17.html
▼前走時の回顧で「名前がスプートニクだけに、あとひとつは勝つかも。」と書きましたが、早速勝って5勝目。幻の6号目打ち上げ成功なるか?




http://keiba.radionikkei.jp/news/20060521K11.html
郷原洋司騎手、今年112戦目にしての初勝利。おめでとうございます! ちなみに連対も今年初。ここまでひどいといっそ清清しい・・・・・・かも。自分の出資馬には絶対乗ってもらいたくありませんが(これまでは一度も無し)。