馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

サウスニア、リニューアルキャンペーン第二弾は当歳募集。

2006年当歳馬募集 - サウスニアレースホースクラブ
(外)ミスティーク'06(牝・父Fusaichi Pegasus)<募集総額4,200万円+輸入諸経費>

▼ミスティークの現役時成績はこちら。出世は遅れましたが、非常に高い素質を持った牝馬でした。今年急逝しており、このFusaichi Pegasus牝駒が最初で最後のクロップ。貴重な血ではあるんですが・・・・・・自家生産も同然の牝駒が“輸入諸経費別”で4,200万とは。参考までに、現時点でFusaichi Pegasus産駒の日本での稼ぎ頭(世界的に見ても3番目)、オフィサー(持込・牡馬)の募集価格がやはり4,200万円でした。初年度でFusaichi Pegasusの種付料が$150,000という高額だったことを考えれば、この「同額」募集は驚きを通り越して笑ってしまうレベルの数字です。まぁ去年は$125,000と高止まりしていたスタリオンでしたが、来年の種付け料は、$75,000とのこと・・・・・・初年度の半額ですねぇ。
 これが、今年中に申し込めば30%OFFで2,940万円ですか。それでも輸入諸経費を含めればおそらく実質3,500万円以上。ダート向き種牡馬のマル外牝馬という悪条件を考慮すれば、甘めに見てもまだ適正価格オーバー。元出資者の思い入れをオマケしてやっと及第点ってとこでしょうか。大幅割引という前提ありきでの価格設定であることは見え見えで、その露骨さ(或いは鈍感さ)がある意味サプライズです。「当歳募集しないんならこれまでどおり割高で買ってね」という大名商売そのもので、どちらかというと「30%OFFすげえ!」と飛びつきがちな初心な新規向けという印象が否めません。元出資者に還元する気はあまりなさそうですね。いや、気というより体力の問題なのかもしれませんが・・・・・・。
 あと、どうでもいいですけどurlの一部に"faol"という文字列が見えますが・・・・・・foalのスペルミスですかね。



(外)クライスレリアーナ'06(牡・父Giant's Causeway)<募集総額3,600万円+輸入諸経費>
▼母クライスレリアーナの現役時成績はこちら。競走馬として大成はできませんでしたが、短距離路線を歩んでいれば・・・・・・と思わせる素質の持ち主でした。父Seeking the Gold、母Kooyonga(カルティエ賞最優秀3歳牝馬、4歳時オペラハウスを破ってエクリプスS制覇)という夢の配合、その血脈には否が応にも期待せざるをえません。初めて出資した一口馬ということもあり、思い入れは相当強いものがあります。
 さて、その初年度産駒の父は、種付料$120,000超という設定で鳴り物入りのデビュー、初年度にいきなりShamardal仏ダービーなど)・Footstepsinthesand(英2000ギニー)・Maids Causeway(コロネーションS)を送り出し、2世代目からアメリカダート2歳GⅠを連勝したFirst Samuraiも出て、一気にトップスタリオンに登り詰めた種牡馬・Giant's Causeway。去年の種付料が$300,000で、来年度の種付料はPrivate。今年もイギリスからアメリカに渡ったAragornが芝マイル路線で活躍(GⅠ2勝を含む重賞4連勝、その後BCマイル2着)しており、一体幾らになったことやら・・・・・・。とはいえ、Oonagh MaccoolやNaissance Royaleといった主要な重賞ウィナー含め、活躍馬の殆どがファーストクロップなのがどうなんでしょう。基本芝向きで晩成というのはアメリカでは嫌われそうな・・・・・・。アベレージが高いタイプでもなく、値段ほどの価値がある種牡馬かどうかは疑問です。
 しかし、それ以上に疑問なのが日本競馬への適性。日本に入ってきたGCW産駒の成績は、まだ3世代ながらもう悲惨そのもので、初年度・2年目の日本デビュー馬19頭のうち、勝ちあがったのはわずか5頭。まだ準OP以上での勝ち鞍もありません。ここをどう捉えるかがポイントでしょう。
 ただし、父の種付料、母の血統背景、牡馬ということを考えれば、3,600万というこの価格設定には輸入諸経費別としても納得、というかむしろ安いです。種付料と育成費で足が出るのでは、という気すらします。新規会員が一気に増えたこの状況で、森厩舎予定かつ当歳割引30%という要素を含めれば、先行で満口となる可能性が濃厚でしょう。個人的にも、正直言って出資したいです。9割は母への思い入れが理由ですが、他の要素を見ても、父の日本実績には目を瞑れる程度に納得いく募集だという印象ですので・・・・・・。
 先日の元出資馬初仔の権利の新規会員への無料配布など、ここのところクラブに対して納得のいかないことが多すぎましたので、募集ラインナップを見る前からとりあえず「年内の出資はしない」と決意していました。これを覆すようなことはしないぞ・・・・・・と自分に言い聞かせてはいますが、心が揺れていないと言えばそれも嘘になります。さて・・・・・・。



● (外)パステルカラー'06(牝・父Tale of the Cat)<募集総額2,800万円+輸入諸経費>
▼この血統のマル外牝馬をこの値段? 先行割引目一杯使っても輸入諸経費を吸収できる程度ですか。うーん、馬自体はかなり良く見えますが、なにしろ当歳ですからよく分かりません。ていうかミスティーク'06といいこの馬といい、クライスの仔との落差がありすぎるような・・・・・・。