それでも競馬は(たぶん)やめられない(と思いたい)
●http://kurige.seesaa.net/article/34845359.html
▼厩舎格差の最大要因を、馬房数の3倍まで馬を預かれる所謂「3倍枠制度」に求め、広がる格差と溢れ返る“下流馬”に蝕まれる美浦の現状を淡々と分析。いや、淡々としているのは口調だけで、実際は一馬主としての真摯な憂慮あって起こされたエントリなのかもしれませんが、諧謔的な物言いで心情を韜み晦ますのがお得意なお方ですからそのへんはなんとも。
解りやすく云えば、藤沢先生が30頭を40頭預かるようになったので、国枝先生のところに行くはずの10頭がいなくなったと。(笑)
すると国枝先生は慌てますから、その次ぎのランクの馬をもう20頭集めます。
その20頭が行くはず厩舎はさらに慌てますから、その次ぎのランクの馬を・・・。
▼くりげ君は美浦の中だけでの構図として喩えておられますが、個人的には前のエントリで書いたとおり、西高東低の気圧配置を原因とする、美浦全体の病態であるように思えてなりません。もちろんトレセン内での厩舎間の格差拡大も厳然としてあり、そちらの方が直接的に現場の空気を濁していくのかもしれませんが。
<参考:獲得本賞金別東西現役馬数比較表>
本賞金 | 栗東 | 美浦 | 格差指数 |
5000万円〜 | 465 | 320 | 1.45 |
10000万円〜 | 179 | 101 | 1.77 |
15000万円〜 | 98 | 40 | 2.45 |
20000万円〜 | 52 | 14 | 3.71 |
※「格差指数」は単純に頭数を西÷東したもの(小数点3位以下切り捨て)
厩舎格差の拡大は厩人の心を蝕んでいます。
結果ばかり求める風潮の競馬は、生き物とともに歩む競馬の潤いを失ってきています。
▼なんというか、今後の「砂漠化」を想起させるところもあって、心は逆にうそ寒くなります。これで、多少は空しく乾くことも厭わずに十分な雨が降り注がれるような状況であれば、いずれ横溢する生命力と多様な生態系を孕んだ豊かな熱帯雨林が形成されていくんでしょうけどね。そんな慈雨を期待できる空模様ではとてもないよな、というのが誰しもの天気読みでしょう。細く弱い樹からやがて立ち枯れていき、いずれは不毛の大地に・・・・・・という夢も希望もない未来図しか、現状浮かんでこないのが悲しいところ。せめてこのシリーズ記事の結びが、「馬なんかやめようよ(笑)」というブログ標題そのままに終わらないことを願いたいものですが、実際に個人馬主としては撤退方向に向かわれている方の言だけに・・・・・・。