栴檀は新馬より芳し
▼くりげ日記で新馬戦の話をしているのを見て、そういえば前にちょっとこんなの調べたなとか思い出して引っ張り出してきたデータがこちら。
<新馬戦着順別・競走馬成績追跡データ集計>
2001年産(現6歳) | ||||||||||
新馬戦 | 頭数 | OP馬数 | 重賞馬数 | 勝馬数 | 平均賞金 | 5000万超 | ||||
1着 | 250 | 39 | 15.6% | 25 | 10.0% | 250 | 100.0% | 5670 | 83 | 33.2% |
2着 | 250 | 24 | 9.6% | 7 | 2.8% | 179 | 71.6% | 3789 | 52 | 20.8% |
3着 | 250 | 2 | 0.8% | 5 | 2.0% | 147 | 58.8% | 2017 | 26 | 10.4% |
4・5着 | 499 | 10 | 2.0% | 6 | 1.2% | 243 | 48.7% | 1892 | 50 | 10.0% |
6〜8着 | 731 | 8 | 1.1% | 4 | 0.5% | 235 | 32.1% | 966 | 29 | 4.0% |
9着以下 | 1020 | 5 | 0.5% | 2 | 0.2% | 207 | 20.3% | 588 | 22 | 2.2% |
上記計 | 3000 | 88 | 2.9% | 49 | 1.6% | 1261 | 42.0% | 1702 | 262 | 8.7% |
1〜3着 | 750 | 65 | 8.7% | 37 | 4.9% | 576 | 76.8% | 3825 | 161 | 21.5% |
4着以下 | 2250 | 23 | 1.0% | 12 | 0.5% | 685 | 30.4% | 1000 | 101 | 4.5% |
2002年産(現5歳) | ||||||||||
新馬戦 | 頭数 | OP馬数 | 重賞馬数 | 勝馬数 | 平均賞金 | 5000万超 | ||||
1着 | 249 | 33 | 13.3% | 26 | 10.4% | 249 | 100.0% | 4697 | 70 | 28.1% |
2着 | 249 | 12 | 4.8% | 8 | 3.2% | 186 | 74.7% | 2768 | 33 | 13.3% |
3着 | 250 | 10 | 4.0% | 7 | 2.8% | 158 | 63.2% | 2133 | 27 | 10.8% |
4・5着 | 497 | 4 | 0.8% | 5 | 1.0% | 235 | 47.3% | 1442 | 26 | 5.2% |
6〜8着 | 731 | 7 | 1.0% | 1 | 0.1% | 234 | 32.0% | 798 | 19 | 2.6% |
9着以下 | 1160 | 6 | 0.5% | 2 | 0.2% | 222 | 19.1% | 469 | 17 | 1.5% |
上記計 | 3136 | 72 | 2.3% | 49 | 1.6% | 1284 | 40.9% | 1702 | 192 | 6.1% |
1〜3着 | 748 | 55 | 7.4% | 41 | 5.5% | 593 | 79.3% | 3199 | 130 | 17.4% |
4着以下 | 2388 | 17 | 0.7% | 8 | 0.3% | 691 | 28.9% | 772 | 62 | 2.6% |
※検索・集計の仕方によって微妙な誤差は出るかも。
※重賞には障害重賞も含まれます。
※賞金はこの表では全て本賞金のこととします。
▼非常に見難い表ですいません。えー、新馬戦が一発勝負になった2003年以降の2世代について集計してみたわけですが、とにかく「新馬戦を勝った馬たち」と「新馬戦に負けた馬たち」の間にある深い断絶に慄然とします(大袈裟)。「デビュー戦としては上々」という言い回しはお馴染みのものですが、この表を見た後では負け惜しみにしか聞こえません(大袈裟、でもないか)。もちろんデルタブルースのような叩き上げタイプも皆無ではありませんし、カネヒキリやサンライズバッカス、あるいはスズカフェニックスなどのようにデビュー時からの路線変更で大成する馬も何頭かいて、一概に決め付けられるものではないのも確か。ですが、トータルで見ればこれぐらい明確な格差が出るのだ、というのは認識しておいた方がいいのかなぁと。馬主行為の真似事をしていて、新馬戦で結果を出すことの難しさ、希少さを肌で感じてもいるであろう一口馬主は特に。
もし、全ての厩舎が預託枠の3倍馬を預かったら、単純な話1頭の在厩期間は4ヶ月です。
http://kurige.seesaa.net/article/34927974.html
その間に出走できるのは多くて8回、平均したら6回でしょう。
それで得られる出走手当は約200万円。
一方経費は、在厩時70万円X4ヶ月=280万円、放牧時35万円X8ヶ月=280万円。
馬を持っているだけで年360万円、在籍期間の平均2年間とすると720万円、そしてデビューまでの育成費を400万円とすると1120万円+馬代金を稼がなければ馬は赤字になる計算になります。
くりげ君の仮想計算は極端ですが、大筋としては外してはいないでしょう。この中央の馬余り傾向だけでも大変ですが、加えて一口馬主はクラブ手数料などで個人馬主よりも実入りはかなり少ない上にクラブ会費も取られ、更には例の税制問題も待ち構えています。となると、実質採算ラインは2000万円+馬代金ぐらいに考えておいたほうが良さそうで、1000万円台の(クラブ馬としては)安馬メインでラインナップしても、1頭平均5000万円(本賞金ベース)ぐらいは稼いでもらわないと元が取れない計算になります。まぁ元を取るというのは元々無謀としても、馬代を「買い物」と考えてランニングコストだけ賄えばいいや、という心構えでいてさえ、1頭平均3000万円あたりが採算ラインになりそう。これを単純に上の表にあてはめれば、「新馬戦で2着以内に入れないような馬は即、損切り(権利放棄)すべき」ぐらいの勢いです。まぁそんなドライな行為や計算ができる人は一口なんか続けないでしょうし、これは単なる喩えですが、実際投資として問題外なのはもちろん、趣味としても高くつくよね一口って、というお話でした。
・・・・・・いや違う、本来はもっとジェネラリな論旨に持って行きたかったはずだ! でもまぁいいや別に(えー