馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

大きいことはいいことだ

▼僕は基本的にデカ馬が好きで、それは別に嗜好がデブ専というわけではなく(当たり前)、単純に言って「デカイ馬の方が強い」というデータに基づいたデジタルな判断からです。・・・・・・と思っていたんですが、よく考えたらきちんとデータを出してみたことはないことに気づいて、ちょっとこんな表を作ってみました。例によって見難くてすいません。なお集計対象・期間は、ちと遅れましたがシーズンですしPOGルールに準拠してみました。

【2004年産馬・馬体重別成績集計】

  • 集計期間:2006. 6.17 〜 2007. 5.27
  • 集計対象:世代限定戦(2歳戦/3歳戦)のみ
  • 文字色の意味
    • 青色
      • 着別度数・勝率・連対率・複勝率・平均着(順)・1走当賞金・・・カテゴリ別上位2位以内
      • 賞(金)シェア・1着数(シェア)・・・データ数シェア数値から1割を超えて上回っているもの
    • 赤色
      • 着別度数・勝率・連対率・複勝率・平均着(順)・1走当賞金・・・カテゴリ別下位2位以内
      • 賞(金)シェア・1着数(シェア)・・・データ数シェア数値から1割を超えて下回っているもの
    • 緑・・・上記データ評価の基準となる数値
  • 注・・・データ数が1%を下回っている馬体重帯については、データ不足として上記評価から除外


<牡セン馬・芝>

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝 平均着 1走当賞金 データ数 賞シェア 1着数
〜399kg 0- 0- 2- 11/ 13 0.0% 0.0% 15.4% 8.3着 58万円 0.2% 0.1% 0.0%
400〜419kg 3- 2- 3- 81/ 89 3.4% 5.6% 9.0% 9.7着 143万円 1.7% 1.8% 0.7%
420〜439kg 18- 31- 23- 419/ 491 3.7% 10.0% 14.7% 8.2着 71万円 9.4% 5.1% 4.4%
440〜459kg 80- 93- 81- 891/1145 7.0% 15.1% 22.2% 7.4着 123万円 21.9% 20.5% 19.6%
460〜479kg 108- 108- 111-1193/1520 7.1% 14.2% 21.5% 7.6着 119万円 29.1% 26.3% 26.4%
480〜499kg 111- 89- 101- 870/1171 9.5% 17.1% 25.7% 7.0着 143万円 22.4% 24.3% 27.1%
500〜519kg 66- 50- 60- 391/ 567 11.6% 20.5% 31.0% 6.6着 211万円 10.8% 17.3% 16.1%
520〜539kg 19- 20- 12- 140/ 191 9.9% 20.4% 26.7% 7.1着 143万円 3.7% 4.0% 4.6%
540〜 4- 3- 4- 32/ 43 9.3% 16.3% 25.6% 7.9着 106万円 0.8% 0.7% 1.0%


<牡セン馬・ダート>

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝 平均着 1走当賞金 データ数 賞シェア 1着数
〜399kg 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 10.9着 0万円 0.1% 0.0% 0.0%
400〜419kg 2- 0- 4- 59/ 65 3.1% 3.1% 9.2% 10.0着 28万円 1.3% 0.4% 0.5%
420〜439kg 17- 21- 23- 333/ 394 4.3% 9.6% 15.5% 8.4着 52万円 7.9% 4.8% 4.4%
440〜459kg 63- 51- 57- 754/ 925 6.8% 12.3% 18.5% 7.8着 70万円 18.7% 15.2% 16.2%
460〜479kg 105- 113- 117-1103/1438 7.3% 15.2% 23.3% 7.4着 82万円 29.0% 27.7% 27.0%
480〜499kg 99- 117- 103- 888/1207 8.2% 17.9% 26.4% 7.0着 92万円 24.3% 26.0% 25.4%
500〜519kg 70- 58- 55- 439/ 622 11.3% 20.6% 29.4% 6.8着 118万円 12.5% 17.3% 18.0%
520〜539kg 29- 20- 25- 160/ 234 12.4% 20.9% 31.6% 6.4着 129万円 4.7% 7.1% 7.5%
540〜 4- 10- 5- 47/ 66 6.1% 21.2% 28.8% 6.7着 95万円 1.3% 1.5% 1.0%


牝馬・芝>

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝 平均着 1走当賞金 データ数 賞シェア 1着数
〜399kg 2- 1- 8- 123/ 134 1.5% 2.2% 8.2% 10.3着 22万円 3.3% 0.7% 0.8%
400〜419kg 14- 25- 20- 362/ 421 3.3% 9.3% 14.0% 9.2着 47万円 10.5% 4.3% 5.4%
420〜439kg 61- 65- 55- 814/ 995 6.1% 12.7% 18.2% 8.5着 87万円 24.8% 18.5% 23.6%
440〜459kg 74- 73- 73- 888/1108 6.7% 13.3% 19.9% 8.0着 130万円 27.6% 30.9% 28.7%
460〜479kg 69- 66- 74- 653/ 862 8.0% 15.7% 24.2% 7.7着 135万円 21.5% 24.9% 26.7%
480〜499kg 26- 30- 34- 273/ 363 7.2% 15.4% 24.8% 7.6着 219万円 9.1% 17.0% 10.1%
500〜519kg 7- 9- 5- 80/ 101 6.9% 15.8% 20.8% 7.6着 113万円 2.5% 2.5% 2.7%
520〜539kg 5- 2- 1- 12/ 20 25.0% 35.0% 40.0% 5.6着 281万円 0.5% 1.2% 1.9%
540〜 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 7.0着 50万円 0.1% 0.0% 0.0%



牝馬・ダート>

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝 平均着 1走当賞金 データ数 賞シェア 1着数
〜399kg 0- 1- 2- 62/ 65 0.0% 1.5% 4.6% 11.2着 14万円 2.1% 0.5% 0.0%
400〜419kg 5- 7- 13- 242/ 267 1.9% 4.5% 9.4% 9.5着 31万円 8.5% 4.1% 2.7%
420〜439kg 21- 21- 22- 574/ 638 3.3% 6.6% 10.0% 9.3着 36万円 20.3% 11.3% 11.3%
440〜459kg 45- 48- 55- 758/ 906 5.0% 10.3% 16.3% 8.4着 58万円 28.8% 25.9% 24.2%
460〜479kg 61- 58- 53- 562/ 734 8.3% 16.2% 23.4% 7.5着 87万円 23.3% 31.5% 32.8%
480〜499kg 37- 34- 25- 277/ 373 9.9% 19.0% 25.7% 7.1着 97万円 11.9% 18.0% 19.9%
500〜519kg 14- 8- 7- 83/ 112 12.5% 19.6% 25.9% 7.9着 115万円 3.6% 6.4% 7.5%
520〜539kg 2- 6- 7- 25/ 40 5.0% 20.0% 37.5% 7.3着 86万円 1.3% 1.7% 1.1%
540〜 1- 1- 2- 6/ 10 10.0% 20.0% 40.0% 6.6着 121万円 0.3% 0.6% 0.5%
▼というわけで、「そりゃ筋力もストライドも大きい方が有利に決まってるじゃねーか」という身も蓋もないデータが明らかになりました。競馬はマラソンではない、ということがなんとなくわかる感じです。とはいえ、100m走のように常にマッチョが勝つわけではない(牡セン馬の400〜419kg帯の成績が悪くないのは、ドリームジャーニーが出たせいで、他はボロボロですが)ことも確かで、よく言う喩えである「競馬は人間で言うと中距離走」というのが数字でも納得できるところ。あ、ちなみにディープインパクトについては、あれはもうサラブレッドとは呼べないと思うので考慮に入れない方向で(えー)。
 とはいえ、このデータだけでは片手落ちというものなので、以下のような表も用意してみました。


<2004年産馬体重帯別出走馬成績集計>

  • 集計期間:2006. 6.17 〜 2007. 5.27
  • 集計対象:世代限定戦(2歳戦/3歳戦)のみ
  • 注1:性別ごとの真ん中の列が、もっともデータ数(出走頭数)が多かった中間帯
  • 注2:「該当する馬体重で出走したことのある馬」の集計データであり、重複の可能性あり

条件 出走頭数 勝馬頭数 勝馬 1頭当賞金 出走数 1頭当出走数
牡・420〜439kg 296 30 10.1% 189万円 885 2.99
牡・460〜479kg 930 179 19.2% 323万円 2958 3.18
牡・500〜519kg 431 106 24.6% 449万円 1189 2.76
牝・400〜419kg 278 19 6.8% 102万円 688 2.47
牝・440〜459kg 725 102 14.1% 272万円 2014 2.78
牝・480〜499kg 279 53 19.0% 416万円 736 2.64
▼・・・・・・あれ、「重い馬は走れば成績は上がりやすいが、その分たくさん出走できないんだよねー」という流れに持って行こうと思っていたんですが、なんか大して変わらないような。馬体重別にデビュー時期を当たると、やっぱり重い馬ほど初出走が遅くなる傾向(500kgオーバーの馬は秋競馬以降のデビューが多く、2歳9月までにデビューする馬は出走馬全体の15%前後)にある一方、軽い馬は仕上がりやい(440kg未満の馬は2歳9月までに出走馬全体の30%前後がデビュー)ようなので、それでいてなおかつこの程度の差しか出ないということは、「仕上がりやすいか仕上がりにくいか」より「勝ち上がれるか勝ち上がれないか」の方が影響が大きいのではないでしょうか。
 しかしまぁ、これはあくまで「出走まで漕ぎ着けられた馬」だけの数字であり、デカ馬の中には「出走まで漕ぎ着けられなかった」馬の相当数いるんじゃないか、という見方もできるので、このデータだけで一概に「デカ馬最強!」と断言できるものではありません。それでも、どちらかを選べといわれたら、「大きいことはいいことだ」と答えるにやぶさかではない、というのが僕の把握です。ただ、これをPOGなり一口なりに生かすためには、大前提として「脚元が健康かどうか」を見極める目が必要で、それがなぁ・・・・・・難しいんだよなあぁ・・・・・・。


▼あと、これを来年のPOG指名時期まで覚えていられるかどうかも問題(えー)。