馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

馬インフル騒動は情報公開の夢を見るか?

防疫体制と競馬産業 インフルエンザその後 - サラブネット
▼ノモケンの現時点での馬インフルエンザ(EI)騒動の総括的な記事が上がっていたので紹介させていただきます。ただ、文章がいつものノモケン節でちょっとっつきにくいので、ちょっとフランク風味で主旨を箇条書きにしてみました。大筋は変わってないはずですが、ニュアンスが多分に変わってきそうなのでなるべく原文もお読みいただければと。ちなみに赤字は引用者註的な部分です。

<そもそも>

  • 日本と豪州の(防疫上の)対応の差がキニナル!

<沈静化とウイルスの同定>

  • 実は8月初旬からEIの流行は始まってたんじゃね?
  • つうか、発熱馬に対する陽性馬の割合が少なすぎるってばよ!
    • オイオイ、簡易検査ってどこまで信頼性できんの?
  • 現在の“1日の検疫頭数は美浦60、栗東が50前後”って制限は普段と比べてどうなん?
    • 通常の数とほぼ同じで、各厩舎に割り当て頭数が設定されてるらしいですよ奥さん
  • 白井の競馬学校の輸入検疫施設指定をJRAが自主的に取り下げたってさ
    • 再指定が遅れると、JCとかにも影響するっつーの!

<地方、民間牧場の防疫体制は?>

  • 軽種馬防疫協議会(軽防協)という組織があってのう・・・・・・
    • 競馬界だけじゃなく乗馬界も噛んでるけど、事務局がJRA馬事部で、要するに農水省は防疫上の面倒な話をJRAに“丸投げ”しとるんじゃ
  • JRA施設への馬の送り出しに際して、民間育成牧場に簡易検査の実施とワクチンの補強的な接種を要請したってよ
  • EI騒動は地方競馬の経営基盤をボディーブローのように揺さぶっているんさ
    • 検査とかある程度余裕持って対応できてるのは大井ぐらいじゃねぇの正味な話

<競走馬以外は視界の外?>

  • 競馬界には短期間の休催でも窮地に陥る関係者が多いんだわ
    • 赤字の地方主催者なら、やらない方が助かるって場合もあるかもだけど、この場合も馬主や厩舎関係者が黙ってねーべ
    • JRAでも2週間の休催でつぶれる専門紙があるそうですよ奥さん
      • それなんてホースニュ(以下略
  • オイラは「JRA2週休催」が相場だとオモタ
    • JRAの馬事部門にも「信頼回復に2週間必要」との意見は多かったらしいよ?
    • 船が大きくなり過ぎて、もはや筋論が通らないのが、悲しいけどこれ、今の競馬界なのよね
    • 農水省がJRAに防疫問題を丸投げしてんだから、そりゃ「防疫よりカネ」ってなるわな常(識的に)考(えて)
  • JRAは施設上の限界とかで「陽性馬を隔離しろ」って言わなかったねぇ
    • 現場には「欧米と同様、インフルエンザ常在国となっても競馬に支障はない」とか言い出す人も
      • え、それとこれとは話は別なんじゃねぇの? マジでそんな話出てんの?
    • でも馬は競走馬だけじゃない(乗馬とか)し、また能力不足の競走馬の多くが、乗馬や食肉となるんだから病気はマズいでしょ
      • 愛玩用の馬には高齢馬も多く、ワクチンの接種を止めている場合も多いしさぁ
      • メディアはほとんど報じないけど、今回の問題で馬術のイベントは中止が相次いでいるんだって!
        • いや、それを報じたアンタは偉いよ本気で

<迫られる軌道修正―豪州の場合>

  • 一方豪州は、まだまだEI騒動でエライことになってるよ!
    • 8日にはNSWのワーウィックファーム競馬場で無観客開催なんてのもあったそうですよ奥さん
    • 競馬では前代未聞だろうけど、JRAも場内発売比率は1割を切って久しいんだから、アリっちゃアリだったんじゃね?
  • 感染馬が出ていないヴィクトリア州で、ワクチン接種を求める意見が出てるんだって
    • インフルエンザに限らず、豪州では「感染症は水際で食い止める」というスタンスで、基本的にワクチン接種は行っていないんよ
    • それが今回の急拡大を招いた理由で、数少ない接種馬を管理していた調教師や専門家は、政策転換を要求し始めたのさ
      • そりゃこの惨状を見たら、当然そういう声も上がるよなぁ
  • まぁそれは簡単にはいかんだろうけど、ともかく今後、防疫体制のあり方を巡って感感俺俺侃侃諤諤なのはガチ
    • 国情の違いは余りにも大きいが、日本でも「今回何が起きたか」「今後何をすべきか」について、競馬界にとどまらず議論が展開されるべきであろう。前提となる情報の公開を、関係部署に強く要求したい
      • ↑ここは大事な結論部分ってことで茶化さずそのまま引用しました


▼というわけで、いちいちどれがどこでとは挙げていきませんが、競馬ブログ界隈で議論の争点となった部分や提出された疑義を、概ねフォローする内容になってるのではないかなぁと。さすがノモケン、俺たちに(以下略
 あと、上の箇条書きで丸々一段落端折った部分があるんですが、それは結論部分と同様個人的に強調しておきたかった箇所だったので、以下に全文引用しておきます。

 近年、動物保護法などの立法が進んでいる。動物愛護は旧総理府の所管だったが、現在では環境省が中心となっている。もちろん、人が口にする家畜は農水省の所管だが、馬についても長年、競馬や乗馬を「畜力の利用」という苦しい位置づけをして、他省庁に渡さずに来た。巨額の国庫納付金を抱える事情ゆえだが、その結果、他の動物の健康を維持確保するための取扱基準が出来ても、馬には適用されないという状況が生まれてくる。こう書くと、馬を扱う人々からは「我々を信じないのか?」という声が出て来そうだが、馬の状況を規定するのが「カネ」であることを忘れるべきではない。

サラブネット

▼そもそも動物愛としての競(走)馬愛というのは、捩れた柱にしがみつくようにして成立しているものだという認識は、競馬に関わる(単にファンとしてでも)人間として持っておきたいと思います。

私には自分のしていることがわかりません。なぜなら私は自分がしたいと思うことはせず、したくないことをしてしまうからです。もし、私がしたくないことをするなら、律法を善いものであることを認めます。もはや、したくないことをするのは私ではなく、私の中にある罪なのです。
(ローマの信徒への手紙7:15-24)

原罪 - Wikipedia

その上で、現実に即した形で、実際馬に携わる人間への評価も下すべきかなぁと。これは主張というより自戒ですけど。