馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

一口馬主的・厩舎(恨)ミシュラン2007。

▼有芝まはる様@殿下執務室からこういう宿題をいただいてて、でも印象論の問題だから定量化するのは難しいかと思ってたんですが、こういう切り口ならどうだろうという数字の出し方をちょっと思いついたので、試しにアップしてみます。


<2007年度・厩舎別古馬出走数集計>

  • 集計対象・条件は以下の通り。
    • 2003年産以前の競走馬についてのみ集計(古馬のみ)。
    • 2007年度の中央出走分のみ集計(地方や海外は含まず)。
    • 2007年度通じて厩舎に所属していた馬のみ集計(年度途中での引退や再登録馬は除外)。
    • 参考までに、2007年度に当該厩舎での出走経験がありながら、途中で他厩舎に移籍した馬も記載。
    • 年間出走数が9戦以上(3ヶ月に2戦超)は青字表記。
    • 年間出走数が3戦以下(3ヶ月に1戦未満)は赤字表記。


【嗚呼憧れの超一流厩舎グループ】

池江泰郎 橋口弘次郎 音無秀孝 角居勝彦
ゲイルバニヤン 11 ペールギュント 10 ラッキーブレイク 10 インセンティブガイ 10
グレイトジャーニー 11 ツルマルフェロー 10 ワキノカイザー 9 エキゾーストノート 8
サクラオリオン 9 パノラマビューティ 9 トシザヘネシー 8 プリンセスデザイア 7
ニルヴァーナ 8 テンシノゴールド 8 スマイルフォライフ 7 ポップロック 7
メジロマシューズ 7 アイアンキング 8 シルクヴェルリッツ 7 ディアデラノビア 7
ギーニョ 7 グッドネイバー 6 サンアディユ 7 デルタブルース 6
ブラックタイド 6 ヴィータローザ 6 ゲイル 7 フレンドシップ 4
シャイニングアレキ 6 ロジック 5 ワキノエクセル 6 カネヒキリ 0
ウインファンタジア 6 ローゼンクロイツ 5 ホエールシャーク 5 フラムドパシオン 0
パッショナルダンス 5 レジェンダロッサ 5 リアルコンコルド 3 ペルフェット 転厩
エレスサール 5 フォルテピアノ 4 サンライズバッカス 3 グランドミッション 転厩
ワンマンシャチョウ 4 ツルマルツイモツイ 3 グロリアスウィーク 3
マチカネタマカズラ 3 オナーリーブ 3 カンパニー 3
サイレントディール 3 テューダーローズ 2 オープンセサミ 3
ロードアンセム 2 クリノスペシャ 転厩 アレクシオス 転厩
ナイアガラ 0 クリノワール 転厩 ブルーミングスノー 転厩
ヴァーチュ 転厩 ガーネットスター 転厩
カスタリア 転厩
ドレスコード 転厩
合計出走数 93 合計出走数 84 合計出走数 81 合計出走数 49
1頭当出走数 5.8 1頭当出走数 6 1頭当出走数 5.8 1頭当出走数 4.9
▼一口者なら一度はこういった厩舎の馬に出資したい・・・・・・という憧憬には、共感される向きも多いことでしょう。全体的に使い込まれている馬とそうでない馬の上下差が小さく、またどうしても厩舎事情に合わなくなった馬については、他厩舎への転出も厭わない姿勢というものが見て取れます。普通転厩というと無責任な印象や揉め事の匂いがあり、あまり良いイメージを持たない方もおられるでしょう。しかし馬主サイドから見れば、空かない馬房をひたすらに待ったり、分不相応な成績のまま上位厩舎内の激しい競争にさらされるよりは、新天地に送り出してチャンスを与えてくれるほうが有り難い場合も多々あります。発展的な転厩というのは、むしろ歓迎すべきことではないかと。
 角居厩舎の平均値が低いのは長期休養中の2頭の影響が大きく、またポップロとディアデラの海外遠征もあり、そのあたりを考慮すればまずまずの数字かと。この古馬頭数の少なさを、よく言われる“クラッシャー”ぶりの表れと見ることもできるでしょうけど、馬房回転を効率化するための見切りの良さ、という表現もまたできるところ。そんな中でいまだ厩舎に残っているプリンセスデザイアの浮きっぷりは異常です。工夫しながらコンスタントに使ってもらえているので文句はないんですが、ホント、なんで置いてもらえてるのか・・・・・・。


【一口界隈的「地雷」厩舎グループ】

藤澤和雄 友道康夫 萩原清 藤原英昭
ミスターケビン 12 ジャイアンツエール 10 バリオン 7 トレノジュビリー 9
フェラーリセブン 11 ユーガットテースト 9 コージェネラル 6 テンザンアモーレ 8
ジョウノエリザベス 11 アドマイヤグローリ 9 マイネルボウノット 6 ドラゴンウェルズ 6
ナチュラルウェーブ 10 アドマイヤキラメキ 9 パーフェクトマッチ 6 デアリングハート 6
レフィナーダ 8 アドマイヤウイナー 9 アドバンテージ 6 エイシンシテンノー 6
ピサノパテック 8 サクラメガワンダー 7 メテオバースト 5 エアジパング 6
タイキスピリッツ 8 ストラディヴァリ 6 プリサイスマシーン 5 ルクアルボーレ 5
サンデーストリーム 8 アドマイヤサンサン 6 ハリーズコメット 5 ダンディズム 4
マチカネゲンジ 7 アドマイヤカリブ 6 パルジファル 4 サイボーグ 4
キングストレイル 7 ローランアントレ 5 ハルクバニヤン 4 カリオンツリー 4
ペディクラリス 6 サクラランサー 5 インテレット 4 トレノトマト 2
フェラーリファイブ 6 アドマイヤダーリン 5 パワーコレクター 3 エイシンユニコーン 0
ピサノバンキッシュ 6 サクラキングダム 4 マッチレスバロー 2 テンザンオトヒメ 0
ピサノグラフ 6 アドマイヤジュピタ 4 インベスター 2 トーホウアラン 0
キングアーサー 6 ワンモアチャッター 3 ルビーレジェンド 1 マッキーマックス 0
サトノスローン 5 ミステリーゲスト 1 プラズマ 1 テンザンアモーレ 転厩
ピサノダイチ 4 デュカス 0 トーセンブレイク 転厩
ジャリスコライト 3 ブリッコーネ 0
ジークエンブレム 3 メリフルアスソング 0
タイキプライム 3 タニノディキディキ 転厩
シンボリウエス 2
ゴールドキング 1
ヴァンデグローブ 1
マチカネミノリ 0
ミレニアムウイング 0
レッドアワード 0
合計出走数 142 合計出走数 98 合計出走数 67 合計出走数 60
1頭当出走数 5.5 1頭当出走数 5.2 1頭当出走数 4.2 1頭当出走数 4
▼ここに挙げた名前は完全に独断と偏見によるチョイスですが、数字的にもある程度裏付けるものはあるのかなと。藤澤和厩舎と友道厩舎は管理馬が多すぎかつ上下格差が大きすぎ、萩原厩舎と藤原英厩舎はとにかく全体の出走数が少なすぎ。これでは不満が出るのも仕方ないところでしょう。
 勝ち鞍や獲得賞金、また勝ち上がり率なんかをトータルで見ると、この辺の厩舎はむしろ優秀な部類に入るんですが(特に当たり前ですが藤澤和厩舎)、平均するだけでは見えないこともある、ということで。


【いつも全力投球ビッグレッドグループ(注:関西限定)】

西園正都 中村均 佐々木晶三 宮徹
ベルフリー 11 マイネルハーティー 11 ビッグベアシチー 12 プログレエバ 12
ツルマルローレル 11 ラブハート 10 ウインイージス 11 コスモプラチナ 11
タムロブライアン 11 マイネルファーマ 10 グランディバローズ 10 マイティーキラー 10
セトノヒット 11 マイネルテセウス 10 ダークメッセージ 9 グッドフロマージュ 9
ゲルダイハッカイ 11 マイネルスパーダ 7 サンバレンティン 9 コパノフウジン 7
プルーヴドメリト 10 マイネルアンセム 7 バージンフォレスト 8 シフォンベール 6
セトノシェーバー 10 トウカイワイルド 7 インティライミ 8 コスモフォーチュン 6
フィールドジュエル 9 コスモマーベラス 7 マイネルアラバンサ 6 マイネルマグナート 転厩
マコトスペリオル 7 キンショーハヤテ 転厩 コスモラヴアゲイン 6
ホーマンブレーク 7 マイネルエクセラン 転厩 レキシントンシチー 4
ポートジェネラル 7 マイネルジュネス 転厩 ハッピーバローズ 4
タムロスターディ 7
タムロイーネー 7
ワイエムサチ 6
フィールドルージュ 6
レジェンドプレイス 0
マイネルヴェステン 転厩
合計出走数 131 合計出走数 69 合計出走数 87 合計出走数 61
1頭当出走数 8.2 1頭当出走数 8.6 1頭当出走数 7.9 1頭当出走数 8.7
▼この回りくどい集計条件の目的を一言で言うと、「どれだけ“飼い殺し”しているか」というのを定量的に炙り出すため、となります。果たしてそのために適切な条件設定なのかどうかは皆さんの判断を仰ぎたいところですが、個別の馬の状態・状況を追うのは無理でも、1年間丸々その厩舎に所属している古馬で年間2〜3戦以下というのは、大きな故障をしているか、もしくは馬房調整がつかず所謂“放置”状態にあると推測できますので、単なる表面上の数字であってもひとつの指標にはなるのかなと。
 そういう意味で、このビッグレッドファーム方式の薫陶を受けた、あるいはビッグレッドファームの方向性と合致するオペレーションを採るこの厩舎群が、その“飼い殺し”的な所作といかに無縁であるかは、上の数字から明白と言えるでしょう。僕がラフィアン(そしていずれセゾン)に一口の主力をシフトしようとしている最大の理由は、ここにあります。1頭当たりの出走数を見ると、年間4〜6戦前後の前2グループとは、全く異質な預託馬管理を行っていることがお分かりになるでしょう。思えば一口を始めて2〜3年目に、ある一口馬主の偉大な先達に、こうしたラフィアン(的な)メソッドのメリットをレクチャーしていただいたものですが、その頃の僕には色々な意味でそれを生かすことができませんでした。ああ、あの頃に戻ってやり直すことができたら・・・・・・いやまぁ、どっちにしろ馬を見る目がないので結果は一緒だったかもしれませんが。


▼とかなんとか言いつつ、藤澤和的なやりようが絶対悪だ、などとアジるつもりは全くありません。ただ、それは(今後の)僕の選択ではない、というだけのことです。泉野明ではありませんが、「やるだけやった」という感覚が、出資馬の管理について僕は欲しい。ダンスインザムードタイキシャトルに出会う可能性を諦めても、今まで滅多に得られなかったその感覚を求めたいのです。それがたとえ幻想であっても。名前を挙げたような馬に出資されていた方からすれば、負け犬の遠吠え以外の何物でもないでしょうけど・・・・・・。


▼以上、単なる愚痴になってしまった感もありますが、とりあえずご参考までに。


▼そして、こんなエントリで締めるのもアレですが、今年も1年グダグダなブログにお付き合いいただきありがとうございました。どうぞ良いお年を。