馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

ビッグレッドファームは本質的にマイラー生産工場

▼昨日のエントリで取り上げた、「ドリームパスポート転厩の本当の理由」についての続きというか。
 えー、その記事では明記しませんでしたが、要するに色々端折って一言で言ってしまえば、それは「(騎手の起用云々ではなく)ビッグレッドファームでの管理・調整法に対する松田博師の不信から生じた相互不和」だった、ということなわけです。で、その溝というか差異がいかに大きいか、ということを数字的に示せる(と思われる)データがあるので紹介しておきます。といっても、その筋(どこ?)では言わずもがなという話なのかもしれませんが。


<社台RH&サンデーR&ビッグレッドグループ・中央芝重賞距離別成績比較>

〜2000m
馬主 出走数 1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝
社台 756 59 90 65 7.8% 19.7% 28.3%
サンデー 490 31 35 28 6.3% 13.5% 19.2%
ラフィアン 747 45 47 45 6.0% 12.3% 18.3%
2200m〜
社台 263 18 20 18 6.8% 14.4% 21.3%
サンデー 138 11 8 12 8.0% 13.8% 22.5%
ラフィアン 146 1 6 10 0.7% 4.8% 11.6%
▼集計ミスがあるんじゃないかと疑ったんですが、少なくとも自分では見つけられず。もし間違いでなければ、ここ20年ばかり、岡田さんちの馬で芝2200m以上の中央重賞を勝ったのはコスモバルク(2004年セントライト記念)だけ、ということになる模様です。もしかしたら僕が知らないだけで、総帥は馬選びの段階で意図的に距離適性が短い方に寄せてたりするのかもしれませんが、そうでなければこのデータの偏りは、とりもなおさず育成手法に由来するものと見なすのが自然ではないかと思います。
 岡田総帥の悲願はダービー制覇だ、という話を以前よく仄聞したものですが、もし本気でそのつもりがあるなら、よほどドラスティックに育成手法と設備を見直さないといけないような気がします。現状では、バットを短く持って場外ホームランを狙ってるようなものなんじゃないかなぁと。まぁアグネスデジタルやらロージズインメイやらイーグルカフェやらに入れ込んでる時点で、もうその気はないのかもしれませんけど。
 とまれ、京成杯を制して一躍クラシック候補に名乗りを上げたマイネルチャールズが、この「距離の壁」を乗り越えられるかどうか、注目。