馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

今週の出走馬(12頭)。

  • ウインスカイハイ 土曜新潟5R 500万下(ダ2500m) 松山弘 09/28帰厩
  • ロードエアフォース 土曜新潟10R 米山特別(500万下・芝1400m) 藤岡康 10/01帰厩
  • ブリージーデイズ 土曜東京7R 500万下(芝1800m) 田中勝 前走3着
  • キャトルフィーユ 土曜京都2R 2歳未勝利(牝・芝1600m) 和田 前走9着
  • レディルージュ 土曜京都11R 室町S(OP・ダ1200m) 岩田 10/05帰厩
  • ロードハリアー 土曜京都12R 1000万下(ダ1200m) 池添 前走1着
  • マイネルマルゴー 日曜新潟4R 500万下(ダ1800m) 丹内 10/12帰厩
  • スターコレクション 日曜新潟8R 500万下(牝・芝1600m) 松田 09/22帰厩
  • マイネルシュトルム 日曜東京9R 八神峰特別(1000万下・芝2400m) 松岡 前走6着
  • ビンテージチャート 日曜東京10R 甲斐路S(1000万下・芝1800m) 北村宏 09/23帰厩
  • マイネルアイザック 日曜京都5R 2歳新馬(芝1800m) 和田 09/22入厩
  • ドリームバレンチノ 日曜京都10R 桂川S(1600万下・芝1200m) 松山弘 09/15帰厩

▼8月・9月の稼働頭数の少なさから予測がついてはいましたが、ここにきてトレセン在厩頭数が増え、今週は大挙12頭の出走となりました。出走しない在厩馬(帰厩予定含む)も13頭おり、結果がどうなるかはともかく、しばらくは実りの秋を楽しめそうです。
 ウインスカイハイは3ヶ月ぶり。ダートの長丁場では大崩れしませんが、500万下では能力的に上なのが明らかにもかかわらず勝ち切れないのは気性の問題。デビュー3年で35戦と使い込めているのは、全力を出さない点がいい方向に出ているのかもしれませんが、既に5歳の暮れ。このクラスでいつまでもくすぶっていてもらっては困るだけに、初騎乗の松山騎手で新味を期待。
 ロードエアフォースは2ヶ月ぶり。未勝利を勝った直後の昇級戦で4着といきなり目処は立ててくれたものの、10頭立てで恵まれた感もあり。距離短縮は良さそうですが、多頭数の競馬でどうなるかは半信半疑です。晩成傾向の強いエアエミネム産駒だけに、使いつつじわじわと力をつけていってくれれば。
 ブリージーデイズは中3週。久々の前走でいきなり好走してくれたのは、持っている力を考えれば不思議ないにしても、マイルへの対応力に不安があっただけに大きい収穫でした。願わくば今回も引き続き田辺騎手に乗ってもらいたいところでしたが、なまずるいタイプだけに使った上積みは大きいはず。極端に速い馬場にならなければ、そして変に溜めずに勝ちに行ければ、大崩れはないのではと期待。
 キャトルフィーユは中1週。初戦は不利があり、その後は四位騎手らしく流した感もあったので度外視できそうですが、中間の経過を聞くに変わり身は望み薄。焦って使わずじっくり立て直してもらいたいところですが、そこは人気厩舎だけに仕方ない面も。とにかく次に繋がるレースを。
 レディルージュは短期放牧明け。大外を引いたのは微妙ですが、ハンデに恵まれた印象はあり、他の有力馬の多くが休養明けなのも含めて上位争いを期待して良さそうな条件。引退時期が近いだけに、一戦一戦悔いの残らない競馬をお願いしたいものです。
 ロードハリアーは中2週。これで今年12戦目。前走でようやく2勝目を挙げ、一息いれるかと思いきやまさかの続戦。さすが浅見といったところでしょうか。昇級戦と言っても、ローカル500万下平場ダート1000mと今回とでは、実質2階級は違うでしょう。今回は現状での力の差を測るという意味合いが強いレースになりそうです。
 マイネルマルゴーは3ヶ月ぶり。昇級後は壁を感じる内容が続いていましたが、一息入れて馬が変わってきた雰囲気はある様子。初勝利を挙げた新潟の舞台で、一夏の成長ぶりを見せて欲しいところですが、さて。
 スターコレクションは10ヶ月ぶり。初勝利が素質を感じさせる内容だけに期待したんですが、その後骨膜・寝違え・飛節の外傷とトラブルが続き、さらに募集時から課題になるだろうと想像していたトモの身入りが一息でここまで休養が長引きました。パンとしてくるのはまだ先でしょうし、タキオンタイマーも心配ですが、素質は上位のはず。長期休養明けでもその片鱗ぐらいは見せつけたいもの。
 マイネルシュトルムは中2週。長期休養明けからこれで3戦目ですが、初戦はナメた仕上げ、二戦目はハンデと消極的なレース運びと敗因がはっきりしているだけに、状態を上げて別定戦のここは言い訳の利かない競馬となりそうです。少頭数ながらマナクーラやヴァーゲンザイル等相手は骨っぽいですが、仮にも準オープンで勝負していた馬ですから、松岡騎手には胸を貸すぐらいの気持ちで乗ってもらいたいところ。
 ビンテージチャートは4ヶ月ぶり。脚元は相変わらず騙し騙しで、ビッシリ仕上げられたとは言い難いところですが、この厩舎の調整力には全幅の信頼を置いているので今回も信じるのみです。エーブチェアマンやリルダヴァルあたりが条件戦にいるのは詐欺じゃないかという気もしますが、自分の競馬をしてくれれば。
 マイネルアイザックはデビュー戦。募集時は結構な人気、今をときめくステイゴールド産駒、しかも「伝説の」京都芝1800mデビューということでワクテカして然るべきなのかもしれませんが、調教の感じからは全くもって期待薄。特に一瞬の脚に欠けそうな雰囲気が強いだけに、上がり勝負になりがちな新馬戦には向かないタイプでしょう。とりあえずは「目指せムーニーバレーRC賞」を合言葉に、それまでの勝ち上がりを目指していただきたい所存。
 ドリームバレンチノは5ヶ月ぶり。思いのほか休養期間が長くなってしまいましたが、その分しっかりメンテナンスができた印象。小倉巧者ではありますが、平坦が向くのか京都の戦績もまずまずで、距離も1200mでは(3.2.1.1.1.0)と崩れていません。久々でも降級戦なら格好はつけてくれるでしょう。


▼セゾン、ラフィアン二次、そしてウインと続々パンフが届いていますが、ざっと見た感じ、なんというかまぁ、出来のバラツキが大きい分チョイスし甲斐のあるラインナップだなという印象。セゾンはこれまでどおり撤退予定、ラフィアンは補償消化のため一次とあわせて残り福をじっくり吟味、ウインは見たところ早期出資のメリットがあまり感じられない制度なので、ロードと天秤にかけつつこちらも様子見が基本線。
 多数口クラブの状況は刻々と変化していますが、今のところ社台グループ系列化を選んだクラブとそれ以外の差は開く一方。ノーザン=シルクや追分=セゾン「等」の動向次第では、一口界の生物多様性は瀕死寸前というところまで追い込まれかねないでしょう。個人的にはラフィアン系やロードのような独立系には頑張ってもらいたいところなんですが、競馬自体の売上減→賞典費減の趨勢は当分止まらないでしょうし、体力勝負のサバイバルになればなるほどスケールメリットが生きてくると思われるだけに、どうもあまり明るい未来図は描きづらいところです。まぁ馬の出所が同じだからといって、個体を選ぶ楽しみが損なわれるわけでは必ずしもありませんので、単なるプレイヤーとしては気にせず楽しめば良いのかもしれませんが……。