馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

サンデーにあらずんば種牡馬に非ず?

▼「サンデーの血に群がる近視眼な生産者たち」的なニュアンスのことをちょこちょこと書いてきましたが、もう少し掘り下げてみたくなったので以下のような表を作ってみました。1995年度(サンデー初年度)以降のクラシックホースの、2001〜2006年度の種付頭数と種付料のリストです。クラシック勝ち馬に限ったのは、条件を絞らないと収拾がつかないというのもありますが、一発勝負の要素も大きいとはいえ、ピュアな素質の差が出やすいだけに種牡馬選定レースとして適切と考えたため。


※ソースは

をメインに、ブックフルなどで情報がない部分の一部を、各種報道メディアサイトなどから補完しました。例によってタレコミ・ツッコミ歓迎。
※種付料は複数条件がある場合安いほうのみを記載。
※「受」は「受胎確認後支払い」の略。
※「生」は「産駒誕生後、一ヶ月以内支払い」の意。
※「前/不」は「前金を支払い。不受胎の場合全額または一部返金」の略。
※「受/不出返」は「受胎確認後、一ヶ月以内支払い。不出生の場合全額または一部返金」の略。
<2007/03/05追記>
http://flyingstuff.jp/omake/(ご提供:BIRDさま@Racing Blog)に基づき改訂。
※改訂部分はイタリック体表記としました。



サンデーサイレンス系(12頭)>

種牡馬名/勝ち鞍 2001 2002 2003 2004 2005 2006
タヤスツヨシ 種付頭数 91 100 73 74 72 75
1995ダービー 種付料 200 受150 受100 受50 受50 受50
ジェニュイン 種付頭数 155 93 53 シャトル 142 52
1995皐月賞 種付料 150 受120 受100 受50 受50 受50
イシノサンデー 種付頭数 57 43 46 21 5 7
1996皐月賞 種付料 前/不40 前/不40 ? 前/不31.5 前/不31.5 前/不20
ダンスインザダーク 種付頭数 202 200 233 188 215 206
1996菊花賞 種付料 受300 受400 受350 前/不700 前/不700 前/不500
スペシャルウィーク 種付頭数 167 211 206 105 234 216
1998ダービー 種付料 前/不500 受450 受400 受300 受300 前/不600
アドマイヤベガ 種付頭数 145 183 161 176 - -
1999ダービー 種付料 受300 受300 受300 受300 - -
アグネスフライト 種付頭数 - - - 62 45 92
2000ダービー 種付料 - - - 受200 受200 受250
エアシャカール 種付頭数 - - 11 - - -
2000皐月賞菊花賞 種付料 - - 受120 - - -
アグネスタキオン 種付頭数 - 199 197 200 188 139
2001皐月賞 種付料 - ? 前/不500 前/不500 前/不500 1200
マンハッタンカフェ 種付頭数 - - 211 206 221 201
2001菊花賞 種付料 - - 受300 受300 受400 400
ネオユニヴァース 種付頭数 - - - - 228 247
2003皐月賞・ダービー 種付料 - - - - 受300 受300
ザッツザプレンティ 種付頭数 - - - - - 53
2003菊花賞 種付料 - - - - - 受50




<非サンデーサイレンス系(12頭)>

種牡馬名/勝ち鞍 2001 2002 2003 2004 2005 2006
マヤノトップガン 種付頭数 110 101 151 137 117 113
1995菊花賞 種付料 受250 受200 受150 ? 受200 受200
フサイチコンコルド 種付頭数 80 197 146 89 103 114
1996ダービー 種付料 受150 受300 受300 受200 受150 受150
マチカネフクキタル 種付頭数 20 16 7 1 2 1
1997菊花賞 種付料 生50 生50 受30 受30 生30 生30
サニーブライアン 種付頭数 76 108 39 19 11 12
1997二冠 種付料 受100 受100 受100 受100 受70 受50
セイウンスカイ 種付頭数 - 34 25 18 12 6
1998二冠 種付料 - 受100 受70 受70 受70 受50
ナリタトップロード 種付頭数 - - 131 95 85 -
1999菊花賞 種付料 - - 受100 受100 受80 -
テイエムオペラオー 種付頭数 - 98 66 55 48 30
1999皐月賞 種付料 - 受500? ? 受450 受450 受300
ジャングルポケット 種付頭数 - - 111 110 153 132
2001ダービー 種付料 - - 受350 受300 受300 受250
ヒシミラクル 種付頭数 - - - - - 22
2002菊花賞 種付料 - - - - - 受50
ノーリーズン 種付頭数 - - - - 35 21
2002皐月賞 種付料 - - - - 受100 受100
タニノギムレット 種付頭数 - - 136 148 128 124
2002ダービー 種付料 - - 受350 受300 受300 受250
キングカメハメハ 種付頭数 - - - - 244 256
2003ダービー 種付料 - - - - 前/不600 前/不600
セイウンスカイは不出生の場合全額または一部返金の条件付。



<上記表内集計・比較>

種付頭数合計 延べ供用シーズン数 1シーズン平均
サンデー系 6707頭 49シーズン 136.9頭
非サンデー系 4086頭 50シーズン 81.7頭



<上記集計期間中の産駒成績(2007/02/25終了時点まで・中央のみ・TARGET集計)>

種牡馬系統 出走頭数 勝ち馬頭数 勝馬 1頭当本賞金 重賞勝
サンデー系 1176頭 393頭 33.4% 884万円 17勝
非サンデー系 754頭 171頭 22.7% 552万円 10勝




▼これまでのエントリでは、「一山いくら」の低種付料クラスにおいてのサンデー系種牡馬の粗製乱造をあげつらっていた面が大きかったんですが、よく考えたらその辺の血統は元々馬産地に還元される率も低いわけで、トータルの数字よりも上級クラスの種牡馬においての格差の方が余程影響が大きいはずですね。そういう観点に立って上の数字を見ると、さすがに暗澹とします。産駒成績を見れば、サンデー系の偏重はむしろ妥当だったという見方もできるでしょうけど、前提条件(要するに繁殖の質量)が全く違いますからね。社台グループのマーケティングの勝利、と言ってしまえばそれまでですが・・・・・・。
 しかしどちらにせよ、今後しばらくは、
【サンデー系(タキオン・ダンス・スペ・マンカフェ・フジキセキ・マベサン+ネオユニ・ロブロイ・デュランダル・ゴルア・ザッツ・ディープ・ハーツ・リンカーンその他)】

   VS 

フレンチデピュティ系(クロフネ)&Roberto系(ギム・トップガン・グラス)&Kingmambo系(キンカメ・SoW)&トニービン系(ジャンポケ・テレグノ)&バクシンオー】
という危うい(というか一方的な)パワーバランスが続くと考えると、ちょっと萎えてきます。基本的に判官贔屓のタチなんで、ある意味望むところな状況ではあるんですが、それにも限度ってものがありますし・・・・・・。かといって「サンデーバブルの崩壊」をワクテカしながら待つ、というのはさすがに不健康すぎるでしょうねぇ。さぁ、これからどうなる内国産血統。