『モテキ 1〜3』(久保ミツロウ)は踊る、されど進まず
▼知人にすすめられて最近3巻までまとめて購入。1巻は去年の3月に出ていて、当初からそこそこ売れていたようですが、「このマンガがすごい2010」で5位になったのと先月に3巻が出たのをきっかけにブレイクしたようで、現在の売れ行きはかなりのものとのこと。どうやら4巻で完結するらしい(3巻の巻末参照)ので、ここが買い時なのは間違いなさそうです。内容を考えても、完結前後のタイミングで映像化するに10000ペリカ。
で、その内容なんですが、簡単に言えば恋愛自意識過剰なアラサー童貞(?)男子が突然訪れた「モテキ」に振り回されるさまを内面描写こってりで描いた文化系ラブコメ。いやもう、クドいクドい。だが、それがいい。
筋書きの方はあんまり予断や予備知識を持たずに読んだ方が面白いと思いますので触れませんが、2話目にして『将太の寿司』パロディネタを前面に押し出してくるセンスに加え、主人公の男だけでなく取り巻くヒロイン(?)目線からの描写も等価にクドいのがポイント高い。「このマンガはモテない女子も応援してます!」という帯の著者(女性です)コメントもさもありなん、男子が空回っているのと同様に、女子もまた空回っているからこそ噛み合わないんだ、という双方向性が、作品に深みと味を与えています。
傍から観てるとただただ痛い、でもどこか共感できる部分もあるような気がしてくる男女のドタバタ恋愛模様、チクチクしながら読むのがクセになるかもしれませんよ、そこのあなた。
▼余談ですが、この作品の各話タイトルは全て実在の曲名から取られています。
で、上で紹介した『ネイティブダンサー』も21話(3巻所収)のタイトルになってたりするんですねこれが。なんでこの回がこのタイトルになったかっていうのはもちろん正確には分からないんですけど、
こういうシーンがあるので、“メガネかけた黒髪の地味顔”アーティストの代表としてサカナクションの山口一郎が抜擢された、という可能性はあります。メガネ男子ちゃうやん、という向きもおありでしょうけど、確か某音楽番組で密着されてた素の山口一郎はメガネだったような記憶が……。まぁそうでなくても、黒髪地味顔なのは間違いありませんし(山口一郎 - Google 検索)、そもそもこの曲調がスーパーネガティブな主人公と非常にマッチしている感もあり(曲のようにオサレでは全然ありませんが)。
とりあえず、全く関係なく同時期に触れた作品が偶然リンクしていたことがなんとなく印象深かったので、並べて紹介させてもらいました。つーかそもそもなんでいきなりこんな企画始めたんだというところが疑問でしょうけど、ぶっちゃけた話、競馬話だけでは間が持たなくなったからです(えー)。別に競馬ネタでもいくらでも書けるはずなんですけど、なんかテンションが上がらなくて……Twitterで呟きすぎだろうか……。